7歳の息子アリ(7歳になりました!)とおかあさん(三沢真実)はキャンプと車中泊で旅する親子キャンパー。愛車のエブリイさんで日本中を駆けめぐります。

vol.4では、この車種を選んだ理由や今のスタイルにカスタムした経緯をお話しします。

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なぜこの車を選んだのか?

2016年。私は友人が長年愛用していた車を譲り受け、乗っていたのだけれど、なかなか年季の入ったものだったので、買い替えの検討を始めた。

でも、車選びはとっても難しかった。

当時、私は「こんな車に乗りたい!」という希望はなかったし、車の知識もなかったし、どうやって選んだらいいのかわからなかった。

唯一、こんな見た目が好き!!! と憧れていたのは、

「クラシックカー」

しかし、もちろん手の届くような値段ではないし、愛情注いで手厚くメンテナンスをする必要のある古い車に、車の知識のない私なんかが乗れるはずはない。

まったく候補も上がらないような状況が続いていたある日、軽自動車をかわいくしてくれる会社があるという情報を教えてもらった!

軽自動車専門店 モデストカーズ

画像: なぜこの車を選んだのか?

とくに、これだ! これに乗りたい!! と私がロックオンされたのがこの「ピコット」だ。

画像: モデストカーズでカスタムされた軽自動車エブリイベースの「ピコット」。

モデストカーズでカスタムされた軽自動車エブリイベースの「ピコット」。

モデストカーズは軽自動車を販売・カスタムしている神奈川県の会社である。

カスタム可能なフォルムタイプそれぞれに対応車種が決まっていて、ピコットに変身できる車は「スズキ・エブリイ」だった。

ノーマルなエブリイの見た目は、「THE 働く車!」で、正直好みではなく……。このタイプはまったく候補に入れていなかったのだが、調べれば調べるほどエブリイは自分の希望に合っていた。

仕事の荷物、キャンプの荷物と、とにかくたくさん積載できることが重要なのに、大きな車を運転する自信がない私。

けれどエブリイは小回りのきくサイズ感にも関わらず、圧倒的な積載量。荷室はフルフラットになって、コンパネも丸々入れることができる。それに軽自動車は維持費も高速代も安い!

カスタムしたらその分の費用はかかるけど、それを加算したとしても軽自動車は安い。

運転のしやすさ、乗り心地など、気になる点は多少あったけど、何よりこのカスタムピコットの見た目に惚れてしまったので、車種はエブリイに決定した。

【MEMO】
エブリイには、エブリイバンとエブリイワゴンがあります。
エブリイバンは商用、エブリイワゴンは乗用となっていて、仕様も価格も違いがあります。その他、二駆/四駆、ターボの有無など、選択肢がたくさんあるので、よく比較検討して、自分のライフスタイルに合うものを選びましょう。

私はこの時点では車中泊にまったく興味なし。最重要ポイントは「積載量」だったので、荷物がたくさん積めるエブリイバン・ハイルーフを選んだ(結果、車中泊にも最適だった)。

さて、ここまで決まったので、まずは希望のタイプを中古車で探してみる。

しかし、“働く車”である軽バンは、お役目を果たし尽くすまで乗られることが多いそうで、なかなか状態のいい中古車は見つからなかった。

カスタムして長く乗るつもりなら、新車で購入した方がよいのではないかと考え改め、新車でエブリイを購入するに至った。

画像: 新車でエブリイバン・ハイルーフを購入。

新車でエブリイバン・ハイルーフを購入。

アリも新しく迎えたわが家の愛車を「エブリイさん」と呼んでとても気に入り、エブリイさんはすぐに私たち家族の一員のようになった。

それにしても、ノーマルのエブリイさんはやっぱり、THE 働く車!! ホームセンターの駐車場に止まっている車には、妙に親近感がわく(笑)。

しかしせっかくの新車なのでカスタムはちょっと待ち、とりあえずこのまま少し乗ってみよう〜なんて、そうこうしているうちに何もしないまま一年が経過した。

セルフペイントに挑戦! そしてフェイスも交換

2017年夏。そろそろ夢のカスタムをしたいなあと、具体的にカスタム計画始動!

モデストカーズではフェイスをはじめ、リアゲートやミラーなど様々なオプションパーツが選べるし、シートの張り替えなど内装カスタムも可能。

あれもこれもしたい! という希望は止まることがない。しかし、費用はできるだけ抑えたい……。

オプションパーツはがまんして、フェイスを取り替えるだけでも十分かわいいはず。それから塗装は自分でもできるかも⁉ そうすればだいぶ費用は軽減できそうだ。

後々も「これ、もしかして自分で塗ったんですか?」と驚かれることの多いエブリイさんだが、私がセルフペイントに挑戦できたのは、同じようにセルフペイントしたオシャレな車に乗っている友人がいたからだ。

画像: 茨城県でプライベートキャンプ場TADPOLE CRAFTを経営している友人、ケンゾウくんの車。

茨城県でプライベートキャンプ場TADPOLE CRAFTを経営している友人、ケンゾウくんの車。

さっそくセルフペイントの先輩・ケンゾウくんに相談をしてみると、タカラ塗料という会社で車をセルフペイントするキットが販売されていること。タカラ塗料のHPで事例集や塗装の方法まで見ることができ、車塗装にオススメのカラーも豊富に出ていることが分かった。

ここでおすすめカラーの塗料とキットを購入すれば私でもできそうだ! しかも、ケンゾウくが塗装を手伝ってくれるというので心強い!(さらに私の仕事仲間であり、ファミリーでもあるアウトドアクリエーターズユニットCAMMOCのみんなも一緒に塗ってくれることに!!)

ちなみにタカラ塗料の車塗装オススメカラーはどれもかわいくて迷ったが、キャンプ場などで自然に調和する色を基準に選び、なかでも飽きがこなそうで、どんなコーディネートにもマッチしそうな「グリーンソイビーンズ」というカラーに決めた。

(と、理由はいろいろあるのだが、単純に私はこの色が好きなんだって後から気が付いた)

こうしてエブリイさんは

モデストカーズでフェイスパーツ交換+タカラ塗料のキットでセルフペイント

により変身することに決まった。

モデストカーズで塗装は依頼せずにフェイスパーツ交換のみの場合、フェイスは未塗装の状態で返ってくるので、フェイス交換後、すぐに塗装というスケジュールを組みたいところだ。

そして、早々にケンゾウくん、CAMMOCのみんなが集合して塗装できる日程が決まったので、その直前にモデストカーズへ。

……としたかったのだが、どうしても日程調整ができず、塗装予定日までにフェイスの交換をすることができなかった。

「ま、後からフェイス交換するとしても全部塗っちゃおうよ!」と皆が気前よく言ってくれたので、まずは塗装に取り掛かることにした。

2017年秋、みんなで挑戦した塗装の様子がこちら!

画像1: セルフペイントに挑戦! そしてフェイスも交換

まずは足付け。足付けとは、車の表面に傷を付けて、塗料がのりやすくすること。

画像2: セルフペイントに挑戦! そしてフェイスも交換

次に養生、脱脂、下塗り。

塗料が付いてはいけない部分をテープとビニールで保護し、シンナーを含ませた布で車体のワックスを拭き取っていく。その後、鉄以外の部分に「非鉄バインダー」という塗料がはがれにくくなる下地液を塗る。

あとは気合で……

画像3: セルフペイントに挑戦! そしてフェイスも交換

塗る!

画像4: セルフペイントに挑戦! そしてフェイスも交換

塗る!!

画像5: セルフペイントに挑戦! そしてフェイスも交換
画像6: セルフペイントに挑戦! そしてフェイスも交換

塗る!!!

画像7: セルフペイントに挑戦! そしてフェイスも交換

塗装完了!

大人5名+子ども1名で朝から塗り初め、終わった頃にはすっかり日が暮れていたけれど、なんとか1日で塗り上げた。

色が変わっただけで、すでにかわいい! これはこれでよいではないかとも思えちゃう。

からの、フェイスチェンジ!

画像8: セルフペイントに挑戦! そしてフェイスも交換

上の写真はフェイス未塗装での引き渡し時。

それから、今度はひとりでフェイスを塗装して、

画像9: セルフペイントに挑戦! そしてフェイスも交換

ついに完成! ルーフキャリアも装着!

画像: ルーフキャリアも、アイアン風になる艶消しブラックで塗っている。

ルーフキャリアも、アイアン風になる艶消しブラックで塗っている。

車を購入してから1年半が過ぎていたが、ついに理想の形になったエブリイさん。

しばらくの間は交差点ですれ違う対向車が「今、エブリイさんのフェイスを見ていた! やっぱりカワイイよねえ〜!」と思ってしまっていたほどの親バカならぬ、主バカだが(笑)、それほど愛せる車になった。

2018年夏。待望の変身を遂げたエブリイさんで、アリとおかあさんは日本一周の旅に出発!

このお気に入りの姿が私の気持ちを高揚させ、旅をぐーんと楽しいものにしてくれていることは間違いなかった。

車中泊をもっと楽しく、快適にしたい!

エブリィさん購入当初は車中泊にまったく興味のなかった私だが、この2年間で手段としての車中泊を何度か経験し、失敗も成功もすることで、車中泊がどんどん面白く、好きになり、もっと車中泊を楽しみたいと思うようになっていた。

そして試行錯誤の末、私たちの車中泊にはこの形がベスト!というところにたどりついた。

画像: 2018年12月雪中車中泊。

2018年12月雪中車中泊。

・窓にはシェード(夏は網戸)を張る
・ローコットを2つ入れて、コットと床の隙間に荷物を置く
・荷物はスタッキング可能なBOXに入れて、就寝時はルーフキャリアに載せる

※ここまでの車中泊の道のりはvol.1〜3に綴っています↓

車内で寝ることに関してはこれで問題ない。

でもやっぱり、車中泊を充実させたいと思えば思うほど、鉄板の壁やペロっとした天井を変えたい!という欲求が沸いてしまう。

このスタイルを男前におしゃれにすることもできるかもしれないけど、私の憧れは海外のバンライフって感じのウッディなやつ!

画像: がんばって雰囲気出してみた日の一枚(笑)。

がんばって雰囲気出してみた日の一枚(笑)。

せめてもの雰囲気出しにと、布を垂らした突っ張り棒を付けてみたりしたけど、突っ張り棒はすぐに落ちるし、ここに布なんて垂らしたら使いづらかった(笑)。それに、布面以外は相変わらずである。

やっぱり憧れのおしゃれな車で、バンライフを送るバンライファーのカリスマ、シエルブルー・ワカさん&アネゴ夫婦のあの車みたいな内装にしたい!

画像: こちらがシエルブルー・ワカさん&アネゴ夫婦の車! ウッドファニチャーの製作からコーディネート、プロデュース、車のカスタムなどを手がけているユニットだ。

こちらがシエルブルー・ワカさん&アネゴ夫婦の車! ウッドファニチャーの製作からコーディネート、プロデュース、車のカスタムなどを手がけているユニットだ。

そう思っていたタイミングで、シエルブルーのカスタムカー展示を見る機会があり、私はそれをうっとり見ながら、もう口が勝手に「うちの車もこんな風にできるかな??」と聞いていた。

じゃあ、ちょっと見てみよう〜と、その場でワカさんにエブリイさんを見ていただくと、「大丈夫、できるよ!」と嬉しい回答!

そうとなったらもう私のこのワクワクを止めることはできない。

車をカスタムすることで広がる可能性と、その価値がそこにはっきり見えたから、私は迷わず憧れの内装をシエルブルーのワカさん&アネゴ夫婦に依頼することを決めた。

海外のバンライフのように、ウッディな内装に!

こちらは大掛かりな作業になるため、エブリイさんを1カ月預ける必要があり、しっかりとしたスケジュール調整が必要だ。

満を持して2019年。

年明けすぐからエブリイさんを預けて施工スタート!

そしてシエルブルー匠の技がこちら!

画像1: 海外のバンライフのように、ウッディな内装に!
画像2: 海外のバンライフのように、ウッディな内装に!

床も、天井も全部剥がした状態! 軽バンってこんな風になっているんだね!

グレーの天井のパネルをパコっと外すと、そこは一枚の鉄板屋根。このペラんとしたボディも見納めだ。

画像3: 海外のバンライフのように、ウッディな内装に!

そして、天井に板を貼り付けられるように骨組みを築く。

画像4: 海外のバンライフのように、ウッディな内装に!

暑さ、寒さの影響をダイレクトに受けないように断熱材をたっぷりと入れ、その上に、一本一本木材を取り付けていく。

画像5: 海外のバンライフのように、ウッディな内装に!

床面は、荷物の出し入れで傷ついちゃってもったいないから、そのままでいいよーと言った私に、「床面も大事!」と、このスタイルにすることを推してくれたワカさん。

でき上がってみると、床面の素材で雰囲気は大違い! 本当に床面もカスタムしてもらってよかった。

画像6: 海外のバンライフのように、ウッディな内装に!

2列目シートを倒し、フルフラットにすると床面すべてが繋がったように見える施工。

ため息の出るような美しい仕上がり!! この車内をずっと愛でていたいがために、車中泊したいと思うほど美しい。

車中泊のすすめ

2019年夏。アリとおかあさんは、さらに変身を遂げたエブリイさんで旅に出た。

お気に入りの服を着て街を歩く時のように、カスタムしたエブリイさんは私の気持ちを高揚させ、私のカーライフを鮮やかにしてくれる。

エブリイさんで旅すれば、まるで日本中の素晴らしい景色の中にお気に入りのお部屋があるように、軽やかにとっておきの体験ができる。

画像: この車から見える景色は、格別なものに変わる。2019年8月大分県にて。アリとおかあさんの旅九州編より。

この車から見える景色は、格別なものに変わる。2019年8月大分県にて。アリとおかあさんの旅九州編より。

こうして私は車中泊が大好きになった。

車中泊は、動く秘密基地のように、車で眠るワクワク感がクセになる。そして、旅の選択肢と可能性を増やしてくれる。

車中泊は人との距離を保ち、接触を避けることも可能なので、このような時期でのポテンシャルも高い。

まだ、外出を控え、密を避ける日々が続いていますが、こんな時こそ皆さんも愛車をカスタムするチャンスです!

画像1: 車中泊のすすめ

次回は、アリとおかあさんの2度目の長期旅。内装カスタム後、初の旅となる「日本一周 四国編」のお話です。お楽しみに!

画像2: 車中泊のすすめ

著者プロフィール 三沢真実 mami misawa

画像: 著者プロフィール 三沢真実 mami misawa

クリエーターズユニットCAMMOC(キャンモック)にて「キャンプのある暮らし」をテーマに、情報発信、キャンプコーディネート、イベント企画、などを⾏うクリエイティブデザイナー。現在6歳の息⼦と2⼈で⽇本⼀周車中泊&キャンプ旅の途中。
Instagram @mamimisawa
HP http://mamimisawa.comt
CAMMOC Instagram @cammoc
CAMMOC HP http://cammoc.com/

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