今夜は“車の屋根裏部屋”でおやすみなさい。
「さあ、これからキャネルでガシガシ車中泊に行こう!」と思っていた2020年前半。まさかの新型コロナウイルス感染症の影響により、まったく車中泊に出掛けておらず。どんどん締め切りが近づいてくるのに、外に出られない......。
「キャネルの連載、どうしよう」と、少し焦ってしまったのだが、そこはわが『カーネル』編集部。締め切り前の徹夜で、さくっと実現してしまった。あーあ。これは喜ぶべきか、嘆くべきか。
しかし、である、翌日より別の撮影が控えているということで、車内は撮影アイテムが満載。これらを降ろしてまで、キャネルで寝ようとは思わない。
ならば、ここはルーフテントの登場! 場所は会社近くの駐車場で決定。初めてのルーフテント泊を楽しむべく、ほかの編集部員に「ちょっと仮眠をとってきます」と会社を出た締め切り前の夜だった。
実際、ルーフを上げるのは何度か経験しているのだが、本当に寝るのは今回が初めて。少しワクワクする(古い!)。
いや、それよりも睡魔のほうが強かった。シートアレンジの代わりに、天井を持ち上げる作業が面倒に思えたが、思った以上に簡単。最初こそ少し力が必要だが、勢いがついてしまえば、あとは勝手に持ち上がってくれる。
乗り込むときも、前傾させた助手席をステップ代わりにすれば、スイスイと上っていける。唯一は、上ったあとで床をスライドさせる作業が少し面倒だったのだが、これは慣れだな、きっと。
その後、テントの生地をメッシュに変更。風通しをよくして、今夜の寝床が完成。少しだけスマホをいじっていたら、どうやら眠っていたららしく、気がつけば朝だった。
「2階」から降りて、一度トイレへ。再度、ルーフをたたみにクルマに戻ってから出社。一連の作業は、慣れるまでやや手間がかかるかも。後席のベッドなら、そのままにしておけるが、ルーフテントの場合、基本たたまなければいけないからね。
最初は、寝起きの体にとってややツラい作業かも。グッとルーフのグリップに力を入れて体重をかけるようにする。動き出しは重かった屋根が、途中から軽く下げられるようになっている。この辺はさすがナッツといえるだろう。それほど難しいことはしなくても、作業できるようになっている(そりゃあ、そうだろう!)。
こうして、初のルーフテント泊は疲れのためか、ほとんど何も覚えていない状態で終了。しかし、「これは子どもが喜びそうだなぁ」とか「車中泊で、どこか連れていきたいなぁ」なんて、忙しいなかでも、家族のことを思うキッカケにもなってくれた、社有車・キャネルだった。
最近、キャンピングカーや車中泊カーのことを指して、「動く秘密基地」という表現を、ほかのメディアでもよく聞く。ならば、このルーフテントは「クルマの屋根裏部屋」なんて言いまわしがぴったりじゃないか! と自画自賛。
本当なら、この4〜5月はキャネルを移動編集部にして、長期取材に出かける予定だった。残念ながら実現しなかった今回。“コロナ”がこれだけ猛威を振るっていては、しょうがない。この夏こそは......。まずはマイクロツーリズムということで、来年のための「暑さ対策」の撮影でも東京でしようかな⁉︎
ルーフテントの展開方法
まずはバックミラーの手前にあるロックをカギで解除。レバーを引くとルーフがガチャっと浮く。
あとは押し上げるだけ。最初だけやや重いが、途中から軽く上がる。
ルーフテントの収納方法
天井にあるグリップをつかんで引っ張る。最初は少し重い。途中まで下げたら、テントの生地がはみ出していないかを外から確認して、再度グリップを持って勢いよく引っ張る。
ルーフとボディに隙間がないのを確認したら、今度は車内で上写真の黄色やじるしが指す小窓が、赤くなっていないかを確認。その後、カギでロックすれば、走行中に開くことはない。
編集長・オオハシの「ココがお気に入り!」
助手席の背もたれが完全に前傾すること。長物の荷物を積んだり、ルーフテントに上がるときに簡易ステップになる、同じNV200でも最新モデルは変更になってしまったらしい。
そしてルーフテントのメッシュ。風通しがよくて、春から初夏は気持ちよく寝られる!
ちょっと気になる……
転席の上の開口部から、ビロビロとヒモや生地が垂れてくる。運転に支障はないが、やっぱり気になる。
FFヒーターがルーフテントでは効かない点。ということは、冬に「2階」で寝ると寒い......。どっちも何かいい手はないかなあ。
出典:カーネルvol.46 夏号
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