「四国八十八カ所のお遍路」の巡礼地すべてを車中泊でめぐった、カーネル読者の旅の記録を紹介。四国八十八カ所のお遍路といえば、言わずと知れた弘法大師の足跡をたどる旅。四国に点在する八十八カ所の霊場を巡拝する遍路のこと。彼の地を車中泊でめぐろうと思っている人へ、少しでも参考になれば幸いだ。

全行程6817㎞、50日間の旅。はじめに

画像: 旅の目的のひとつは、お遍路八十八 カ所全札所での納経帳への墨書きと御朱印。

旅の目的のひとつは、お遍路八十八 カ所全札所での納経帳への墨書きと御朱印。

皆さんこんにちは。新井芳夫と言います。四国お遍路八十八カ所を私の愛車である軽トラキャンパーで車中泊しながらめぐった旅の記録をレポートしたいと思います。

今回は四国へのお遍路だけでなく、道中にある道の駅のスタンプラリーも一緒に取り組みながらの旅でした。

出発は2017年3月20日から5月8日までの50日間、全行程6817㎞。立ち寄った道の駅は198駅、四国お遍路八十八カ所札所巡りの旅で頂いた御朱印の数88+2=90、札所八十八カ所をめぐり終わった後、番札所霊山寺に戻り旅を無事に終えた結願のお礼参りと、高野山奥の院に巡礼結願御礼の参拝で終了。

道の駅のスタンプラリーは四国の道の駅81カ所と、これまでにスタンプを押し損ねている道の駅の117駅があり、今回の旅の往復路でそのスタンプラリーにも取り組んだことで合計198駅を達成。

画像: 四国お遍路車中泊旅も目的のひとつは道の駅スタンプラリー。

四国お遍路車中泊旅も目的のひとつは道の駅スタンプラリー。

道の駅のスタンプラリーは、2015年4月20日から北陸、山陰地方へ27日間のひとり旅を行っていたときからスタート。そのときは108駅をめぐりましたが、スタンプをすべて集められたわけではなく、訪れた道の駅が休日で、スタンプを押せない駅もいくつかあり……。今回はそれが果たせなかった道の駅を再訪問し、スタンプを集めながらの旅になりました。

旅人プロフィール 新井芳夫さん

画像: 旅人プロフィール 新井芳夫さん

●埼玉県在住
●車中泊歴40年以上
●主な車中泊スポット:全国各地(道の駅が中心)

愛車のスバル・サンバートラックに乗ってひとり旅を楽しんでいる新井さん。車中泊歴も長く、40年以上も前から国産ワンボックスカーにDIYを施して、全国を旅してきたベテランでもある。

旅の相棒は スバル・サンバーベースの軽トラキャンパー!

画像1: 旅の相棒は スバル・サンバーベースの軽トラキャンパー!

私の愛車はスバル・サンバートラックの荷台に、キャンパーシェルを載せたタイプの軽トラックキャンパーです。

最大の特徴は室内のセンター部分が左側へ600mmほどスライドアウトすること。室内は130×190cmの就寝スペースが広がり、大人ふたりが寝られる広さの板の間付きで、窓には組子障子の純和室が出現します。

画像2: 旅の相棒は スバル・サンバーベースの軽トラキャンパー!

またバンクベット部分は荷物を収納し、後ろの入り口部左側にはシンク、カセットガスコンロが設置可能な調理スペースを設け、下には冷蔵庫、電子レンジ、調理道具の収納も。 

右側はわずか100mmくらいのスペースに、外服、下着、洗面具などの生活用品の収納スペースがあり、小さな空間に効率的に物を配置する整理整頓スペースになっています。

就寝スペースの床下は、野外で使うイスやテーブルなどのキャンプ道具の収納スペース。雨の日のキャンプ場や車中泊でも、小さな軽トラの荷台の箱の中で、食事から就寝まですべてまかなえる魔法の愛車です。

画像: アルミシェルは外へのスライド時は中から押し出す。外からは押し込む手動式。強く力を入れなくても簡単に動かせる。

アルミシェルは外へのスライド時は中から押し出す。外からは押し込む手動式。強く力を入れなくても簡単に動かせる。

ではさっそく、四国八十八カ所のお遍路ひとり車中泊旅レポのスタートです!

【1日目】まずはお気に入りの道の駅「遠山郷」を目指す

画像: お遍路を旅する人の菅笠に書かれた「同行二人」(どうぎょうににん)。いつも弘法大師がそばで見守ってくれている、という意味でもある。

お遍路を旅する人の菅笠に書かれた「同行二人」(どうぎょうににん)。いつも弘法大師がそばで見守ってくれている、という意味でもある。

自宅をスタートし、中央高速を塩尻ICで降り、国道19号を南下、南木曾町方面に移動します。19号沿いには、短い距離で8カ所の道の駅が点在しているため、大変効率的にスタンプを集められます。

道の駅の施設は、20年以上経過の施設も多く、設備も古くなっている場合も多々あります。が、どの駅もトイレはきれいに掃除がされていて、気持ちがいい所が多いです。

実は、旅の道中にある国道19号沿いの道の駅は、あまり利用する機会がなく、高速道路の利用が多いので、スタンプを集められずにいました。

1日目の目的地である、道の駅遠山郷へは17時20分着。遠山郷は152号沿いの長野県と静岡県の県境に近く、山深い道の駅です。3回ほど来たことがあり、私のお気に入りの道の駅です。

立ち寄り温泉「かぐらの湯」が併設されていて、10〜21時にオープン。さっそく、温泉に入り疲れた体のメンテナンスをし、食事処「味ゆ〜楽」で夕食。のんびりと英気を養います。

ちなみに遠山郷の近くには「下栗の里」という絶景ポイントも。標高800〜1100mもあり『日本のチロル』と表現される山里です。山頂にはそば処「はんば亭」と20台くらいの駐車場があり、山里の絶景地は駐車場から山道を10分ほど。眼下に下栗の里が現れ、四季折々に美しい絶景を楽しませてくれますよ。

3/20の走行距離 379km
道の駅スタンプ 10駅
仮眠場所:道の駅遠山郷   
・立ち寄り温泉施設や食事処があり、ゆっくり休める
・宿泊施設もある
・車中泊用のトイレが外にあり、安心
・夜、交通量も少なく安眠できる
・評価:〇

【2日目】途中、雪が降りだすも、愛車の実力をいかんなく発揮

画像: スバル・サンバーのルーフには100Wのソーラーパネルを2基設置。車内にはインバーターとリチウムイオンバッテリーも装備しているのだ。

スバル・サンバーのルーフには100Wのソーラーパネルを2基設置。車内にはインバーターとリチウムイオンバッテリーも装備しているのだ。

朝8時30分に県道418号で道の駅千石平へ向かっていると、道中で雨が降りだしました。天竜川の縁をまわる狭い山道を過ぎ、東京では桜が開花したとニュースが流れたころ。さらに、ふたつ目の立ち寄り地、信州平谷へ向かう418号茶臼山峠付近では、雪が降りだす悪天候……!  

夏タイヤで来てしまったことを悔やみ、引き返すことも考えながら、強行突破で峠を目指しました。徐々に雪も強くなり、峠道に積もりだしますも……わが愛車は4WDのスーパーチャージャー仕様。雪の山道に抜群な力を発揮してくれました。

信州平谷では天候回復を待ち、ひまわり温泉に入り小休止。その後、再び狭い曲がりくねった峠道を上り下りして、道の駅どんぐりの里いなぶを目指しました。

16時過ぎには本日の目的地、宮嶋に到着。食事処のお店は16時で閉店のため、到着時は閉まっていて、農産物のお店も店閉めの準備が始まっているところでした。

道の駅に着くと、仮眠に適地かどうか、施設を下調べします。トイレの使いやすさや、夜、静かに寝られるかが大事です。

この施設は2015年リニューアルオープンしたばかりの施設で、温水洗浄便座のトイレが素晴らしくきれいで使いやすい。駐車場は少し小さいですが、夜間の照明も明るく、安心して利用できる施設です。151号沿いの道の駅ですが交通量も少なく、仮眠するにはちょうどいいスポットでした。

入浴は、151号を少し進んだ道沿いにある兎鹿嶋温泉(ウサギカシマ)へ。18時過ぎに愛車に戻り車内で自炊しました。私のクルマは室内左側の壁が外側へ60㎝ほどスライドアウトして室内が広がり、畳2.2畳分の純和室が出現します。

室内にはコタツをセットでき、そのコタツで食事を取ります。今晩はカセットガスコンロを使って、持参した食材をすき焼き鍋に、ビールで乾杯! ごはんは発電機9iを使い、電子レンジでパックご飯を温めてつくります。のんきなひとり旅を満喫しています。

3/21の走行距離  125km(累計 504km)
道の駅スタンプ 6駅 (累計16駅)
仮眠場所:道の駅豊根グリーンポート宮嶋  
・施設がきれいで新しい。2015年リニューアルオープン
・トイレがきれいに整備されている
・緑に囲まれ朝晩は涼しい 
・小さい規模の道の駅だが、よく整備されており心地よい環境
・評価:◎

★次回は三重・伊勢志摩をめぐり、和歌山・大阪・兵庫への旅路が続きます。

写真・文/新井芳夫
構成/野里卓也
出典/カーネルvol.39春号

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