冬のクルマ旅&車中泊について、素朴な疑問に答えるQ&A企画の第二弾! 降雪・積雪のなか、ウインタースポーツや冬の絶景を楽しむために、年末年始や週末に出かける人も少なくない。そんな皆さんの寒さ・雪・凍結に関する疑問と、その答えを大公開。冬のクルマ旅ビギナーはもちろん、中上級者の皆さんも、PART 1とともにぜひともご一読を!

Q.冬の車中泊ビギナーに最初にオススメする車中泊場所は?

画像: テントと違って、ストーブを車内で使用できない車中泊。AC電源サイトがあるキャンプ場なら電源を車内に引き込み、電気毛布などの家庭用電化製品を使うことができる。

テントと違って、ストーブを車内で使用できない車中泊。AC電源サイトがあるキャンプ場なら電源を車内に引き込み、電気毛布などの家庭用電化製品を使うことができる。

A.まずは電源が使えるオートキャンプ場やRVパークがおすすめ

暖眠の鉄板アイテムのひとつが電気毛布。しかし、車中泊ビギナーが、いきなりポータブル電源をもっているわけもない。さらに電気を使えれば、ほかの電気アイテムも使用することができ、初心者であっても快適な車中泊ナイトに一歩近づける。

となると、やはり最初はAC100V電源が使用できるオートキャンプ場か、いま全国に増え続けているRVパークをおすすめしたい。準備しておくものとしては、一般車の場合、電源を車内に引き込むための延長コード(屋外用)をクルマに積んでおくこと。

そして、そのコードを車内に引き込む際に、窓を少し開けておく必要がある。そのすき間を埋めるために、濡れてもいいフリースなどの布類もあったほうがいいだろう。これなら車内で、家庭用電化製品が使用可能となる。

ただし、もちろん注意点もある。特にオートキャンプ場で車中泊をする場合、自然に囲まれた場所であることが多い。積雪で見えなくなっている場所が、実は池や沼で窪んでいたり、崖だったり。

凍結で朝、クルマが出られないなんてこともあるので、キャンプ場内での場所選びは、管理人から情報収集をしっかりと行い、慎重に行いたい。

深夜に身動きが取れなくなったとき、電話もつながらないと助けを呼ぶこともできない。まずは無理のない駐車位置を選ぶことが大切だ。

Q.冬は寒いから、アイドリングを止めなくてもいい?

画像: 積雪時、エンジンオンのまま就寝するのは危険。雪でマフラーが塞がれると車内に排気ガスが逆流し、一酸化炭素中毒に陥る恐れがあるからだ。

積雪時、エンジンオンのまま就寝するのは危険。雪でマフラーが塞がれると車内に排気ガスが逆流し、一酸化炭素中毒に陥る恐れがあるからだ。

A.四季を問わず、アイドリングストップは基本。ただし生死に関わる場合は、これに限らない。

「車中泊」という言葉と行為の両方が、これだけメジャー化してきた昨今。環境問題、騒音問題などの様々な理由から、現在の車中泊のルールとして、アイドリングストップは大原則となっている。

だからこそ、クルマのエアコンが使えない状況で、夏はどのように暑さをやわらげ、冬はいかにして寒さをしのぐかが、快眠するうえで重要になってくるわけだ。つまり、冬であったとしてもアイドリングストップは基本中の基本。

さらに積雪時の場合、エンジンオンのまま車中泊を行うと、命の危険にかかわることも覚えておきたい。就寝中に積もった雪がマフラーを塞ぐと、車内に排気ガスが逆流。寝ている間に一酸化炭素中毒となり、最悪の場合、死亡してしまうケースも少なくないからだ。

画像: Q.冬は寒いから、アイドリングを止めなくてもいい?

日本における車中泊の歴史のなかで、90年代のスキーブームが、車中泊人口を増やすきっかけになったことはご存じだろうか。リフトのスタート時間に合わせて滑りはじめるため、前夜もしくは当日の早朝にゲレンデの駐車場に到着し、車中泊で仮眠をとっていた時代。

まだ、いまほどアイドリングストップが声高に叫ばれておらず、多くの方々がエンジンをかけたまま、車中泊を行っていたはずだ。当時を知る世代が、現在のブームにのって、車中泊を始めたという人もいるかもしれない。そんな人は、ぜひ現在の車中泊ルールを再度勉強していただきたい。四季に関わらず、アイドリングは止める、が大原則ということを。

ただし、ここ数年の気候変動により、多大な異常気象に襲われることが多くなったわが国・日本。冬の旅先で、急きょ寒波に襲われることもあるかもしれない。

そんなときは、エンジンをかけて、迷うことなくエアコンのスイッチをオンにしてほしい。いま寒さを凌がなければ生死に関わる時まで、アイドリングストップにこだわる必要はない。

ただしその際も、積雪への注意は忘れずに。クルマ全体が埋まらなくても、マフラーが埋まれば危険なのも覚えておきたい。そこまでひどい状況に陥る前に、クルマを走らせ、近くの施設に逃げ込む決断も必要だろう。

Q.FFヒーターが装備されていれば、特になんの装備も必要ないですよね?

画像: FFヒーターはオートマチックに温度設定を行う機能などもあり、ガソリン消費はひと晩で1リットル程度と低燃費。

FFヒーターはオートマチックに温度設定を行う機能などもあり、ガソリン消費はひと晩で1リットル程度と低燃費。

A.電気が使えなくなったときのことも考えて、いざという時の冬装備もお忘れなく

FFヒーターとは燃焼式の暖房器具の一種。クルマの燃料タンクとFFヒーターを接続する配管作業が必要で、専門ショップやメーカーに装着してもらうことが大前提の装備だ。燃焼部を車内スペースに設置しないため、車中泊でも安全な暖房器具として、いま人気を博している。

ただし、ファンを駆動させるための電源が必要で、サブバッテリーの設置が必須となる。つまり、そのサブバッテリーが充電されなければ、 FFヒーターは使えないということ。

冬は夜が長い。そして電気をいろいろ使う。さらに、朝遅く夜が早いため日照時間も短く、ソーラーパネルでの充電も満足にできないかもしれない。

しかも! 今晩の宿泊地には電源設備がなかったら……。電気不足で、冬車中泊の伝家の宝刀・FFヒーターが使えないということ。頼りきって何も準備をしていないと、眠れない夜を過ごすことになる。万が一のことを考えて、一連の冬装備は、やはりクルマのラゲッジに積んでおくべきだ。

写真/稲垣朝則

寒冷地仕様やスタッドレスタイヤなどについて紹介しているpart 1はこちらから。

 

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