冬の車中泊旅の心配事といえば、寒さ・雪・凍結。その不安を解消するために、よく聞く疑問とその答えを大公開! 旅の途中や現地での危険を回避するためにも、事前にしっかりと不安を解消&準備して、冬の車中泊を楽しもう。冬のクルマ旅ビギナーはもちろん、ベテランも復習の意味を込めて一読を!

Q.寒い地域でクルマ旅を楽しむのに、注意事項を知りたい!

A.冬用装備である寒冷地用アイテムの準備を

画像: 寒冷地のガソリンスタンドでは、季節に適した品質の軽油を販売している。出発前に満タンにせず、現地で給油しよう。

寒冷地のガソリンスタンドでは、季節に適した品質の軽油を販売している。出発前に満タンにせず、現地で給油しよう。

冬の車中泊で暖かく寝るためのアイテムやノウハウとは別に、クルマ旅全般に共通して準備しておきたい冬用アイテムがある。まずは凍結対策用品。フロントガラス用の凍結防止マスクや、凍結時に吹きかける融解スプレーなどは、準備しておくと安心だ。

エマージェンシー用のタイヤチェーンやバッテリーをつなぐジャンプコードはいうに及ばず。ボディに積もった雪をはらうスノーワイパーや、雪かき用の軽量スコップなどもあると便利。

さらに、冬のクルマ旅の注意点をもうひとつ。ウォッシャー液や燃料となる軽油に「寒冷地」仕様があることをご存じだろうか? 特に軽油はディーゼル車オーナーでないと、なかなか知る機会が少ないかもしれない。

ガソリンと異なり、寒冷地で凍結することがあるという軽油。そのため、北海道や東北では寒冷地仕様の軽油が、ガソリンスタンドで販売されている。冬に極寒の地を走行するなら、現地での給油をおすすめする。同じ理由でウォッシャー液なども寒冷地仕様に変更しておくか、濃度を濃くしておくといいだろう。

ただし、いくら寒冷地仕様のウォッシャー液であっても溶解能力はない。フロントガラスが凍結している時に使用すると、凍りもしないが、凍結を溶かすこともない。気温が急降下した朝、急いで出発したいからといって、凍結したフロントガラスにウォッシャー液+ワイパーを使用しても効果はない。だけでなく、冬用ではない一般的なワイパーだった場合、ワイパー自体を傷めることになるので注意したい。まずは溶解剤を活用し、しっかりと車内を暖気。冬の朝は段取りが重要なのだ。

Q.明日から大荒れの天気予報。でも車中泊だから、行ってもいいよね?

A.悪天候の地域と期間を確認。予定変更もしくは中止を。車中泊は絶対に安全ではない。

画像: 凍てつく寒さ、降りしきる雪のなかでの作業の効率は、普段よりもさらに落ちる。チェーン装着や雪かきの作業時間は余裕をもって設定したい。

凍てつく寒さ、降りしきる雪のなかでの作業の効率は、普段よりもさらに落ちる。チェーン装着や雪かきの作業時間は余裕をもって設定したい。

悪天候だってクルマがあるから平気!? と考えるのは、よくある大きな勘違い。もちろん悪天候のレベルにもよるが、それはアウトドアにおいて「テントと比べて」というだけの話。寒波や暴風、大雪の場合は、クルマよりも屈強な建物の中、暖かな部屋にある、ふかふかのベッドで寝たほうがいいに決まっている。

そもそも、どんなに素晴らしい名所であっても、どんな楽しいアウトドア・アクティビティであっても、大雨、大雪、暴風のなかでは、きっと魅力は半減してしまう。というか、命の危険に関わることもある。

事前に訪れる場所の悪天候がわかったなら、ここは潔く計画変更の決断をすべき。出発日や出発時間をズラしたり、旅の途中であればルート変更や宿泊地の変更を。「大丈夫、大丈夫」と気軽な気持ちで車中泊を行い、朝起きたら雪で身動きが取れない!なんてことも少なくない。

さらに、たとえ宿に泊まったとしても、出発前の雪かきやチェーン装着などで思わぬ時間をとられることもある。やはり計画変更は必須となる。最近の天気予報の精度は、ここ数年で大きな進歩を遂げている。スマホやタブレットのアプリを車中泊で活用している人も多いだろう。そんな精度の高い天気予報が「明日は大寒波」といっているのだ。ここは素直に従っておこう。

Q.スタッドレスタイヤであれば、どんな雪道でも大丈夫?

A.万が一のためにタイヤチェーンは必携

画像: 万が一の事態を避けるためにも、雪道運転は慎重に。スタッドレスタイヤを装着していても、チェーンは必携だ。

万が一の事態を避けるためにも、雪道運転は慎重に。スタッドレスタイヤを装着していても、チェーンは必携だ。

冬のクルマ旅では、もはやデフォルトの装備といえるのがスタッドレスタイヤ。北海道や東北、山岳部には行かないから大丈夫! ではなく、例え九州や四国であっても、冬にクルマで旅するなら、スタッドレスタイヤは標準装備として考えたい。

ではスタッドレスタイヤを装着していれば、どんな道でも万能か? といえば、答えはNOだ。日進月歩の技術進化により、現在のスタッドレスは非常に高い性能をもっている。しかし、それは日々除雪される一般道がメインの話。山深き林道や人里離れた豪雪地帯で、除雪作業もままならない道に入り込んでしまったシチュエーションでは、そもそもタイヤの性能だけでは補えない。

そこから先は、クルマの基本的なポテンシャルが重要になってくるのだ。4WDか2WDか? デフロックはできるか、できないか? 車高の高さは? それらによって、雪道走行の性能も大きく変わる。

さらに本誌読者の愛車であれば、様々なDIYが施されていることだろう。キャンピングカーはもちろんだが、DIYなどで架装されたクルマの重量は非常に重くなる。車中泊アイテムをラゲッジ満載に積んでいれば、空荷に時とは比べものにならないほど車重は増加している。

つまり、通常の一般車に比べて、より繊細なアクセルワークとハンドルさばきが必要となる。そして万が一のときのために、タイヤチェーンは必ず積んでおくべきアイテムといえるだろう。

写真/稲垣朝則

冬のおすすめ車中泊ポイントやアイドリングストップ、FFヒーターについて紹介しているpart 2はこちらから。

  

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