日本旅行医学会が主催する「登山医学セミナー」。会場は、東京・信濃町にある東医健保会館で、受講者は、医療関係者、消防職員、アウトドアメーカー、そして山岳会の方など様々。開催11回目の今回は、元警視庁山岳救助隊、医師、大学教授が講師として登壇。実際に役に立つ登山医学や、緊急時の対処法などを、SOTOBIRA編集部のMa-Yaが学んできた。

画像1: 知っておくことの大切さ。 登山医学セミナーに参加!

ふらりと1人で低山ハイクに行くことが多いので、捻挫や体調不良もあなどれない ※画像はイメージ

ゲスト講師のひとり、元警視庁山岳救助隊の金邦夫(こん くにお)さんの話からセミナーがスタート。奥多摩の山で20年間山岳遭難救助の指揮をとってきた金さんの話は、テレビで聞く遭難事故のニュースより、生々しく、ダイレクトに遭難の怖さが伝わってきた。

道具を正しく使用していたので一命を取り留めた話や、自分には遭難なんて関係ないといって過信している人が多いという話。登山を始めて数年経つ私の背中には、タラリ冷や汗が流れたのであった。

そんな私、いや、会場の空気を察したように金さんがひとこと。「登山をスポーツとしてとらえるならば、リスクは高いけれど、生涯スポーツとして一番だと僕は思います。」その言葉で会場の空気がホッと和んだ。

画像2: 知っておくことの大切さ。 登山医学セミナーに参加!

果たしてとっさの事態が起きた時に、正しい判断をする力は働くのだろうか。一にも二にも練習あるのみだ ※画像はイメージ

アウトドアのための医学の本なども手がける、スタンフォード大学医学附属病院のPaul Auerbach医師による、雪崩についての講演。なぜ雪崩が起きるのか、救助方法とセルフレスキューなどを解説。本来まじめな内容だが、あえてジョークを交えながらの話はすんなりと頭に入ってきた。日本の雪質について触れたとき、今年の3月に体験した人生初の雪上訓練を思い出した。公演の内容を踏まえたうえでもう一度訓練をすれば、更にしっかり取り組めそう。

ほかにも、足のトラブル・登山靴の合わせ方や、低体温症のメカニズムと対策などの公演が行われた。「登山医学セミナー」という講演タイトルから、専門用語ばかりで参加しても理解できるのだろうかと当初は思っていた。多少の専門用語も出てきたが、画像や映像などを使用しての解説も加わり、医学知識のない私でも理解できる内容だった。開始から終了まで約5時間という、大学以来経験していないような長時間セミナーだったが、得るものは多かった! もしものときは来てほしくないけれど、知識にも備えあれば憂いなし。そう思ったのだった。

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