【概要】一般車のなかで車中泊モデルとして人気が高かった名車を車中泊雑誌『カーネル』編集長・オオハシが紹介する連載企画。第5回はホンダ・CR-Vが登場。

ホンダ「クリエイティブ・ムーバー(生活創造車)」第2弾!

以前に同企画でホンダ・S-MXを紹介したとき、大きな反響があったが、今回のCR-Vも同じホンダ「クリエイティブ・ムーバー」シリーズの一台。

オデッセイに次ぐ第2弾として登場した、ホンダ初のSUV(4WDクロカンRV)だったと記憶している。ただしこれは、現在のようにSUVというジャンルが広義で使用されていなかった時代のこと。

吟味すると「初」のSUVではないかもしれないが、少なくともコンパクトなクロスカントリー4WDモデルは、初だったと思う。

このジャンルには、まずスズキ・エスクードが定番としてあり、次に登場したのが、人気絶頂だった木村拓哉さんをCMに起用したトヨタ・RAV4。それらライバルとは一線を画した長所は、あくまで日常での使いやすさだったと思う。

エスクードやRAV4にはあったMTが、このCR-Vには初登場時に設定されておらず、インパネシフトのATのみ。

4WDシステムも、当時のホンダ車の定番だった「デュアルポンプシステム」なるものだったが、これは通常時はFF走行。悪路になったら4WDとなるシステム。とはいえ、細かなコンピューター制御はされていなかった(と思う)。

ただし、ベースはシビックと同じながら、室内はライバル車よりも断然広く、室内高1245×室内長1765×室内幅1460mmで、人も荷物もゆったり。

車中泊も、シート就寝で大人2名が広々寝られた記憶が、写真を見てよみがえってきた。ただし下にも書いたが、後席の背もたれは完全に水平にはならず、斜めのままだった。

ホンダ・CR-V
販売期間:1995年10月~2022年12月

タウンユースとしても乗りやすく、アウトドア・フィールドでも活躍する現在のSUVの先駆け。4WD性能はFFをベースにした簡易的なシステムでデフロックもできなかった。

今回紹介しているモデルは1995~2001年まで販売されていた初代。後継となる5代目は2022年まで国内販売されていた。6代目は海外でのみ販売されており、国内の後継モデルはZR-V。

タウンユースとしても乗りやすく、アウトドア・フィールドでも活躍する現在のSUVの先駆け。4WD性能はFFをベースにした簡易的なシステムでデフロックもできなかった。

当時のRVモデル全般で大流行したのが運転席と助手席の間を抜けられるウォークスルー。CR-Vの場合、初登場時はインパネシフトのATのみの設定で、このウォークスルーを採用。

折りたたみ式のトレーが装着されており、車内の使い勝手を向上させていた。

まさに現在の『カーネル』が車中泊の基本として紹介している「シート就寝」か「ラゲッジ就寝」かを選べるシートアレンジだった。

同企画担当は、当時シート就寝を選んだ記憶あり。後席の背もたれが完全に水平にはならず、やや斜めのままだったのが逆に寝やすかったとコメントした(ような気がする)。

文:大橋保之(カーネル編集部) 
初出:カーネル2024年7月号vol.67