【概要】アメリカのEVメーカー・CANOO(カヌー)の注目モデルや魅力を解説するシリーズ企画。②ではレギュラーのピックアップトラックを紹介。

ピックアップモデルをベースにした本格RV仕様の登場にも期待

前回紹介したアメリカン・ブルドッグというタフなオーバーランド・ピックアップが4ドアだった。これ対して、レギュラーのピックアップトラックは、観音開きの2ドアにエクステンデッド・キャビンが設けられたスタイル。

これでも一般的な6フィート(約183cm)の長さの荷台をもっていて、積載量は十分といえるだろう。

カヌーの各モデルは微に入り細に入り、かゆい所に手が届く、細やかな収納スペースが設けられている。特にこのピックアップが、最も使えるギミックが多いモデルといっていいだろう。

前述した荷台も特徴的で、一般的なトラックとは異なり、テールゲートが観音開きになっていて、さらに荷台のフロアを2フィート(約61cm)引き出すことができるので、なんと全長8フィート(約244cm)の長尺物を平らに搭載することができる。

さらに荷台の左右から作業テーブルや、ストレージを兼ねたサイドステップが展開できたり、クルマの最前部には大きく開くテーブルが仕込まれている。アイデアの限りを尽くした収納スペースや便利アイデアが詰まっているのだ。

後方が絞り込まれたユニークな形状の荷台は、一般的なピックアップとは異なり、ボディ全体がモノコックフレームとなっているため、ボディ剛性は極めて高い。

アメリカで市販されているフォード・レンジャーなどの中型ピックアップの外観サイズでありながら、F-150などのフルサイズトラックと同じ積載量をもつという、大きな強みを手に入れている。

いや、細やかな作り込みをみれば、既存のフルサイズピックアップもまったくかなわない、積載量や使い勝手のよさを兼ね備えているといっていいだろう。

また写真のキャンパーシェルも用意され、キャビン内からカーゴルームへのウォークスルーを可能にしている。

まさに車中泊モデルのベース車両としても、とても楽しみな一台。至れり尽くせりのピックアップモデルをベースに、自分仕様の車中泊モデルをイメージしてみるのも楽しいものだ。

ギミック満載のピックアップモデルをチェック!

こちらはアメリカン・ブルドッグのレンダリング・イラスト。全身モノコックの頑丈なボディに、ヘビーデューティーなパーツが加装され、独自キャラクターへと進化している。

荷台には、さまざまな方向に長さの異なるディバイダー(仕切り)を設置することが可能で、多彩な搭載物に対応。ピックアップユーザーにはうれしい配慮だ。

観音開きのテールゲートを左右に開き、荷台のフロアを引き出すと、さらに大きな積載能力を発揮。4×8フィート(約122×244cm)のコンパネをフラットに搭載可能。

左右の荷台の壁には、折りたたみ式のテーブルが仕込まれている。キャンプのときなど、かなり重宝しそうな装備といえる。

リアタイヤ前方のボディ側面からは、引き出し式のサイドステップが現れる。ステップの下は小物入れになっていて、何かと便利に使える。

トランクリッドになっているフロントフェイスを手前に開くと、テーブルになる。さらに、そのテーブルが左右に分割・拡張するので、余裕のあるスペースが手に入る。

タフに使えるルーフラックも用意されている。フックの取り付け場所も多数あるので安心。高輝度のLED補助ランプもうれしい装備。

荷台のインナーウォールには、さまざまな出力に対応したアウトレット電源が備えられる。モデルにもよるがテスラのパワーウォールの何倍もの蓄電容量をもつそうだ。

アメリカン・ブルドッグのインテリアイメージとなるレンダリング。こうしたケーススタディ・モデルにも遊び心がいっぱい。

インテリアはシンプルな印象で、大きくラウンドしたフロントウインドウがルーミーな印象をもたらす。アクセルペダルはワンペダルドライブができる仕様。

文:Yusuke Makino(カーネルUSAブランチ)
Canoo Technologies
(カーネル2024年5月号vol.66より)