【概要】北海道の車中泊旅におすすめの温泉街を紹介。選者は北海道在住で車中泊旅を楽しんでいるまるななさん。

北海道の温泉地は200カ所以上と日本一を誇り、名実ともに温泉大国だ。面積が大きいのだから当然かもしれないが、どこの市町村にもひとつは温泉があると言っても過言ではなく、温泉がある市町村は約9割にものぼる。

北海道旅では、ほぼ毎日違う温泉に入れるくらい温泉施設が充実。登別温泉や定山渓(じょうざんけい)温泉などの大型温泉地から、地元民が銭湯感覚で利用するリーズナブルで良質な温泉まで、多種多様。

札幌の街中にも銭湯価格の温泉が数多くあり、札幌出身のわたしにとって日帰り入浴=温泉は、当たり前の感覚。多くの北海道民にとって温泉とは身近な存在なのである。

北海道らしい自然に囲まれた絶景露天風呂、野趣あふれる無料露天風呂、世界的にも希少な泉質の温泉めぐりなど、北海道にしかない温泉の楽しみ方がある。

また、北海道の車中泊スポットで欠かせないのがキャンプ場だ。北海道のキャンプ場は、本州と比べ利用料がリーズナブルで、温泉併設のキャンプ場もたくさんある。

もし、車中泊でキャンプ場を利用したことがないなら、この機会にキャンプ場での車中泊を検討してみてほしい。

ほかにも、温泉に隣接するRVパーク、道の駅も多数あるので「温泉のある施設」を中心に、旅のルートを決めるのもおすすめかも。

こちらの記事では、まずは北海道の有名温泉地をピックアップ。北海道出身のわたしがおすすめする車中泊旅の温泉ガイドが、皆さんの旅の参考になればとてもうれしいです。

執筆者・まるななプロフィール

2017年に中古で購入した軽キャンピングカー・テントむしで北海道内のキャンプや登山を車中泊で楽しむ軽キャン女子。旅の様子はYouTube「まるななちゃんネル」とブログ「まるななブログ」で配信中。北海道以外の一番よかった温泉暫定1位は「恐山温泉」。また変わるかも?

北海道の基礎知識 道央、道南、道東、道北とは?

北海道には179の市町村があり、総合振興局・振興局ごとに14の地方に分類される。一般的には「石狩、空知、後志、胆振、日高」を道央。「渡島、檜山」を道南。「上川、留萌、宗谷」を道北。「オホーツク、十勝、釧路、根室」を道東と、4つにエリア分けしている。

北海道の温泉街

北海道には、一度は訪れたい人気の温泉街が数多くある。泉質のよさもさることながら、硫黄香る地獄谷、アイヌの集落、異国情緒漂う町並みなど個性豊か。

そんな温泉街を散策するのも温泉めぐりの醍醐味。北海道らしい温泉街を楽しんでみてはいかがだろうか。

登別温泉

日本有数の温泉地である登別温泉は、全国最多の9種類の泉質があり、「温泉のデパート」と呼ばれている。

人気観光地でもあり、地獄谷、温泉の湧き出る大湯沼と、そこから流れ出す温泉の川での足湯などがある。

温泉街からロープウェイで行くのぼりべつクマ牧場では、エゾヒグマを見学できる。

定山渓温泉

札幌の奥座敷として親しまれている温泉地。秋には渓谷を鮮やかに彩る紅葉の名所としても有名。スキー場にも近く、豊平川ではラフティングやSUP体験などのアクティビティも楽しめる。

現地のQRコード看板を読み取りながら、定山渓の景勝地をめぐる「そぞろ定山渓」で散策もおすすめ。

湯の川温泉

函館にある350年以上の歴史を誇る海辺の温泉郷。オーシャンビューの温泉から、津軽海峡の漁火を眺めながら入浴が楽しめる。

近くの函館市熱帯植物園の「サル山温泉」は冬の風物詩となっている。ホテル雨宮館では、車中泊プランが用意されており、観光の拠点としておすすめ。

層雲峡温泉

旭川からクルマで1時間、大雪山の麓にある温泉地。登山者の拠点「キャニオンモール」として整備され、山岳リゾート風の温泉街は異国情緒漂う。

登山をしなくてもロープウェイとリフトで黒岳7合目まで行け、大雪山の山並みを一望できる。

阿寒湖温泉

釧路からクルマで1時間、マリモで有名な阿寒湖。アイヌの集落「阿寒湖アイヌコタン」には民芸品店、飲食店が立ち並ぶ。

「阿寒湖アイヌシアターイコロ」では、アイヌ古式舞踊や現代の演出加えた演目「ロストカムイ」が鑑賞できる。

洞爺湖温泉

洞爺湖温泉は、20〜30年周期で噴火する有珠山の麓にある。2000年の噴火で町が熱泥流で押し流され、その記憶を風化させないため、整備された散策路から災害遺構を見学できる。

花火大会が連日開催され、湖面に映る花火が見ものだ。

写真、文:まるなな 
写真協力:北海道観光振興機構、函館市公式観光情報サイト はこぶら、函館国際観光コンベンション協会、十勝観光連盟、札幌観光協会、定山渓観光協会、 むかわ温泉四季の館、しほろ温泉プラザ緑風、かみふらの十勝岳観光協会、吹上温泉保養センター 白銀荘、©H.N.F.
(カーネル2024年5月号vol.66より)