【概要】車中泊雑誌『カーネル』USAブランチによる「CES 2024」レポート③。ハイテク化した大型建機やベトナムのEVブランド・ビンファストなどの車両を紹介。

JOHN DEERE

広い会場のなかにおいても、ひときわ大きなブースで存在感が際立っていたのが、ジョンディア。

農耕器具と最新大型建機で農業大国アメリカを支えるブランド

イエローとグリーンのシカのロゴでおなじみのジョンディア。農業大国アメリカにおける安定した人気とその存在感は特別で、ジョンディアの農耕機械の活躍を見て育ったというアメリカ人は少なくない。

写真ではその大きさが伝わり切らないが、操縦席の高さが軽く3mを超える巨大なトラクターの存在感には圧倒される。

広大なアメリカの農地で活動するために超大型のトラクターや散水車、そしてコンバインなどがジョンディアを代表するマシンたちだが、昨今の技術進歩により、GPSやAIを積極的に使った自動運転機能の進化は目覚ましい。

ハイテクを駆使して自動運転や自動農作業を目指す、作業効率のよいモデルを積極的に開発中。

農業の世界もハイテクの投入により、一層効率的に進化していくアメリカのアグリカルチャー。アメリカ人の心のなかにあるグリーンのシカは常に輝きを放っている。

GOODYEAR

未来を見据えて開発が進む真の高性能タイヤ

レース用タイヤでお馴染みのグッドイヤーだが、ハイパフォーマンスなレーシングモデルから、エコロジー対応のモデルまで、ラインアップは幅広い。

アメリカを代表するタイヤブランド、グッドイヤー。ハイスピードレースへの参戦で得られたテクノロジーを実車用タイヤにフィードバックするスタイルで、常に最先端を走っている。

パンクしないタイヤはハイスピードで走行するスーパーカーにこそ必要なモデルということで、同ブランドのランフラットフリータイヤは高い注目を浴びている商品だ。

またアメリカらしくNASAと提携して月面探査車に用いるルナータイヤなどを開発中。月面上での使用を想定し低重力や急激な温度変化、予測できない岩石路面への対応などがなされているとのこと。

HYUNDAI CONSTRUCTION EQUIPMENT 

文句なしにデザインがカッコいい同社の大型建機。リモート操作や無人運転に対応しているので、危険な場所での作業もお手のものなのだ。

フューチャリスティックなデザインで建築現場もカッコよく進化

ヒョンデグループに属し、ホイールローダー、ブルドーザー、エクスカベーターなどの重機をはじめ、幅広い製品群を誇るが、今回目に留まったのはそのスマートなデザイン。

EV化を進めることでデザインの自由度は大きく広がり、まるでSF映画に出てくるような未来的かつアグレッシブなフォルムに仕上げられている。どんなカテゴリーの製品であっても、デザインの重要性を再認識させられるニューモデルだ。

VINFAST

ベトナム発のEVメーカーが欧米マーケットで躍進

2017年に誕生したベトナム発のEVブランド、ビンファスト。小型から大型まで4つのSUVモデルをラインアップし、現在ではカリフォルニア州全域にショールームを展開して大プロモーション中。

また今回のショーでは初見参となるラグジュアリー・ピックアップ VF WILDをワールドプレミアとして公開した。SUVの市販化で培った安心感と共通したラグジュアリーデザインが与えられたVF WILDは今後の展開を期待させるモデルだ。

ショーモデルのためか、完全自動開閉する観音開きドアを搭載するなど、かなりゴージャスな作りとなっていたVF WILD。注目度が高いことから、アメリカ市場でのピックアップ需要を狙ったようだ。

同時に発表されたE-bikeも、クルマ同様に洗練されたデザインが印象的なモデル。

写真、文:Yusuke Makino, June(カーネルUSAブランチ) 
初出:カーネル2024年3月号vol.65