【概要】車中泊キャンパー・ちょもかさんの愛車をDIYでリニューアルする連載企画。DIYアドバイザーは鈴木大地さん。③-2では杉板の天井パネルの取り付け、リアサイド部の窓埋め作業を紹介。

【車中泊DIY講座】ちょもかのハイゼットカーゴ・カスタム大作戦 過去記事一覧
①-1 イメージ共有&ノーマル状態のクルマをチェック
①-2 イメージの立体化&木材確認&装備品のセレクト
②-1 サイズ計測&材料調達
②-2 簡単に天井板張りができる秘密兵器登場!
③-1 天井パネルを杉板バージョンにアレンジ!

DIYに挑戦&サポートするのは……

(右)ちょもかさん
車中泊やキャンプを楽しみながら、YouTubeやInstagramなどのSNSで情報を発信。自転車にも乗っていて、自転車&キャンプなど、独自の新しい世界観を展開する。

(左)鈴木大地さん
さまざまなバンライフ車両を作ってきたクルマ作りのプロフェッショナル。DIYアドバイザーとして、幅広いDIYのワークショップも行っている。株式会社earth代表。

天井を取り付けるための最終加工へ

下地のベニヤ板に杉板を固定したら、もう完成は間近。まずは、裏側に飛び出してしまったフィニッシュネイルを鈴木さんがグラインダーでカットしていく。この作業はカットしたネイルが飛ぶこともあるので、目を保護するグラスを装着する。

次の作業は、天井に取り付けるネジ穴を開けていく。前回はギリギリのサイズで穴を開けていたが、今回は取り付けしやすいように、少し大きめのネジ穴を開けた。そして、角をサンダーで仕上げて完成。

完成した天井プレートをニコニコしながら運ぶふたり。どんなインテリアになるか想像しただけで笑みがこぼれる。セット方法は前回と同じように、4カ所をボルトで留めるだけ。杉板を張った分、重くなっているが、強度も問題なさそうだった。

ネジ穴も大きくしたので、取り付けも以前に比べてスムーズ。ビスの頭が抜けないように、ワッシャーを追加。前回の無表情の下地に比べて、杉板のテクスチャーが映えている。この後、杉板には塗装をする予定だが、その方法は検討中。ノスタルジーな雰囲気を目指すという。

天井取り付けの作業手順

フィニッシュネイルが板の裏側に出ているので、グラインダーでカットしていく。ネイルが飛んでいかないように慎重に作業をする。

次に下地に開いていた穴をガイドに、杉板へ穴を開けていく。すでに穴が開いている場所にドリルを固定するのが難しい。

センターに細いドリルが飛び出した工具を使って、裏側になる下地の穴を広げていく。その細いドリルの穴をガイドに、今度は表からドリルを差し込む。そうすることで、穴のまわりにバリが出ず、きれいに仕上げられる。

天井のリア側はラウンドしているので、角を落とさなければならない。表面になる杉板に、天井のリア側エンドのコーナーの仕舞い込み加工を施していく。カーブのアールを描く定規は、お得意の塗料缶を拝借。

微妙な形状を書き込んで作業が進められた。

ジグソーでカットした後、サンダーで仕上げていく。

加工が終了したところで、最終的な仕上げ作業。全体の角を落とすためにサンダーで、ていねいに磨いていく。この細かい作業が完成度の高さを左右する。

完成した天井プレートを運ぶだけで楽しそう。こんなに簡単にかわいらしい天井が完成するとは、ふたりとも驚いているようであった。

少し重量が重くなったので、ふたりで取り付け作業した方がよさそうだ。スライドドア上部の出っ張りを避けて、斜めに板をはめ込んでいく。

天井プレートをビスで固定する。想像以上の完成度にふたりとも満足していた。両サイドの化粧は今後の課題として、ライトをどこに組み込むかが検討事項。

天井の次はサイドの作り込みへ

天井の作業が終了し、次はリアサイドの窓埋め作業をすることになった。鈴木さんが、ベニヤ板の切れ端を持ってきて、何やら板に暗号を書き込んでいく。そして、戻ってくると、クルマの形状にぴったりのベニヤになっているという職人技を披露してくれた。

そして、その板を固定して、窓埋め作業は速攻で終了! 本日の作業はここまでとなった。次回は新しい天井を作るか? それとも塗装をするのか? どちらにしても楽しい作業が待っているのだ。

リアサイドの窓埋め作業手順

リアサイド左側は壁を作る予定なので、窓を埋めることになった。工房からベニヤの板を持ってきて、板に印を書き込んでいく。大工さんが形を写し込んでいく“ひかりつけ”のような作業。さすがプロフェッショナル鈴木さん。

窓枠のカーブを測るためにいろいろなアイテムを持ってくる鈴木さん。シェラカップが登場したが、しっくりとこない様子。最終的にはやはり塗料缶だった。

一度カットしたベニヤ板を持ってきて、クルマと合わせて、板に印を書き込む。左上からスタートして、時計回りに、各角の形状を合わせていく。図面を書くことなく作業が進む。

右下のカットを終えたら、ほぼ窓枠を埋めるベニヤが完成。窓部分は完全に密閉されてしまうので、しっかりと断熱材を入れておく。これで下準備は終了。

リアの窓部分は微妙にカーブしている。そこで、中央部分をしっかりと固定して、ベニヤを少し曲げながらボディへフィットさせる。固定には建築用ボンドとビスを使用する。

窓の下部分のボディへ直接ビスを打ち込む。打ち込む位置をベニヤに書き込んで、ミスがないよう慎重に作業していく。

下の板が少し足りなくなったので、追加のベニヤをカットして張り付けた。色が違っているが、ここはベッドなどの家具で隠れるので問題なし。

天井とリアサイドのみ完成! 天井にテープライトを仕込んで、ライティングを擬似体験してみた。

写真:中里慎一郎 
文:渡辺圭史 
初出:カーネル2024年3月号vol.65