【車中泊DIY講座】ちょもかのハイゼットカーゴ・カスタム大作戦 過去記事一覧
→①-1 イメージ共有＆ノーマル状態のクルマをチェック
→①-2 イメージの立体化＆木材確認＆装備品のセレクト
→②-1 サイズ計測＆材料調達
→②-2 簡単に天井板張りができる秘密兵器登場！
DIYに挑戦＆サポートするのは……
（右）ちょもかさん
車中泊やキャンプを楽しみながら、YouTubeやInstagramなどのSNSで情報を発信。自転車にも乗っていて、自転車＆キャンプなど、独自の新しい世界観を展開する。
（左）鈴木大地さん
さまざまなバンライフ車両を作ってきたクルマ作りのプロフェッショナル。DIYアドバイザーとして、幅広いDIYのワークショップも行っている。株式会社earth代表。
前回は天井パネルを作って、ボルトオンで室内へ固定するところまでの作業だった。その後、ちょもかさんはいろいろな場所へこのクルマで移動しているが、きしみ音もなく、なんの不具合も起きていないという。ということは、パネルの強度は問題なさそうだ。
下地を外して加工の準備スタート
工房に集まったら、ちょもかさんがアイデアを保存しているスマホを楽しそうに鈴木さんへ見せる。これがいつもの作業前ルーティンになっている。
いつもどおり荷物満載の状態で、鈴木さんの工房にやってきたちょもかさん。天井に下地となる板を付けたまま、いろいろな場所へ出かけているそうだ。その間、なんの不具合もなく過ごしたという。ただ、磁石式のランタンが天井に付けられなくなったのはやや不便とも。
この企画でのカスタムポイントはこの取り外せる天井。ちょもかさんの希望を聞いて、天井を取り替えるのはどうだろう！ となったのが話の流れ。
そのときの気分に合わせて天井を変える新しい発想だったが、実は工法も簡素化できて、かえって、室内の広さを確保できるなど、いいこともたくさんあった。
前回取り付けた天井プレートを取り外す。ネジ4カ所で固定しているだけなので、取り外し作業もスムーズ。各ネジを順番に緩めていく。
今回は、購入しておいた杉板を使って、天井を完成させることに。アンティークなイメージを考えていたので、塗装も考えていたが、一旦、下地に杉板を取り付けてしまうことを決定。
もし、イメージが違ったら、簡単に新しい天井を作れるから、とりあえず作ってみることにした。交換式天井プレートのおかげで、そのメリットは大きいのだ。
天井プレートを完全に取り外すときは、ひとりで作業もできるが、ふたりで行った方がやりやすい。頭で押さえながら、ゆっくりと降ろしていく。
購入した杉板はホームセンターで半分の長さに切っていたが、さらに短くしていく。長さはそろえず、鈴木さんの目見当でランダムに分割。出てきた板をちょもかさんのセンスで並べていく。でも、この作業は意外と難しい。どう並べたら、かわいくなるか、真剣に悩んでしまう。
切った杉板を並べたら、中央部分から固定していく。中央から始めるのが、天井張りの鉄則。そうすれば、両端が同じ幅の木材でフィニッシュできるから。固定にはボンドと細い釘のようなアイテムを使った。
室内をイメージしてテクスチャーを考える
杉板の加工に電動トリマーという道具を使った。高速で刃が回って、木材の角を丸くしてくれる。
鈴木さんがランダムに杉板を切っていく。最後は天井の長さに合わせて、慎重に長さを計っていた。
ちょもかさんも電動トリマーを使って杉板加工に挑戦。力の入れ具合で仕上がりが変わってしまうので、真剣なまなざし。
右が加工後。角が取れているのがよく分かる。角を落とすことで、板と板の間に隙間が生まれ、仕上がりのテクスチャーが強調される効果もある。
杉板を並べるだけだが、難しくて作業が進まないちょもかさん。鈴木さんがお手本を見せて、思わず拍手。ちょもかさんもコツをつかんだ様子。
下地に杉板を固定するため、建築用ボンドが使用された。非常に強力なタイプで鉄と木材を固定することも可能。お菓子作りが得意なちょもかさんだからか、ボンドがおいしそうに見えてくる。
杉板を固定するために使用したフィニッシュネイラ。細い釘のようなネイルを先端にセットする。
フローリングなどの固定に使うフィニッシュネイルという細い釘のようなモノを打っていく。なるべく目立たないように、打つ場所は最小限に抑えた。
センターから板を張っていったので、両サイドは少し細めの板を張る。ここは鈴木さんが調整してくれた。
杉板が張られて、その全体を見たふたりのテンションは爆上がり。次は天井へ取り付けるための加工が待っている。ここまでできればゴールは近い。
写真：中里慎一郎
文：渡辺圭史
初出：カーネル2024年3月号vol.65