【概要】冬キャンプ用寝袋やスリーピングギアの使い方や選び方のポイント、寝袋の素材別のメリット・デメリットなどをWILD-1のキャンプ担当が解説。

冬キャンプの要となるのが寝袋などのスリーピングギア。選び方のポイントを、アウトドアライフストア「WILD-1」のキャンプ担当・雄鹿裕樹さんに教えてもらった。

※記事の内容は誌面掲載当時のものになります

教えてくれた人……WILD-1デックス東京ビーチ店 雄鹿裕樹さん

2年前よりWILD-1デックス東京ビーチ店のキャンプ担当となり、お客さまにあった道具選びを手助け。自衛官の父親の影響で幼少期からアウトドア遊びに精通している。

寝袋の保温性は足し算ができません!

日中は焚き火に当たったり運動したりすることで寒さをしのげるが、睡眠時はどうしようもない。

「夏用寝袋を2枚重ねる方法が考えられますが、寝袋の保温性は足し算ができません。寝袋には快適に眠れる温度が記載されているので、それを目安に選んで。一概に言えませんが関東の平地はマイナス5℃、山間のキャンプ場なら−10℃が目安です。形もマミー型がおすすめ」(雄鹿さん)

夏用の寝袋は暑さをしのぐための素材や形が採用されているし、2枚重ねると内側寝袋の生地に阻まれて外側の中綿があたたまりづらい。重ねても保温性が2倍になるわけではないのだ。

同様に体温が伝わりやすいよう薄着で眠ることもポイントとなる。

「ただ、いくら気温に合った寝袋でも背中側は中綿がつぶれてしまうのでマットやコットでカバーします。マット選びでは厚みというよりは、中に断熱材が入っているものが冬向き」(雄鹿さん)

マットの断熱性を示す「R値」が記載されているなら4以上、氷点下なら5以上のものを選びたい。

「体が冷え切るといい寝袋でも寒く感じます。寝る前に焚き火であたたまり、ショウガを使った食べ物で体の中からあたためることも有効です」(雄鹿さん)

冬キャンプの寝袋はフード必須

寝袋選びは快適温度と形状に注目だ。封筒型は首回りから冷たい空気が入りやすいのでマミー型がベター。ゆったりした封筒型が好みなら、フード付きのものを選ぼう。フードがない場合はビーニー(ニット帽)で代用。

寝袋の快適睡眠温度は足し算じゃない

寝袋があたたかいのは体温で中綿の細かな空気の層をあたためているから。外側の生地は空気を封じ込める役割もあり、重ねても保温性は倍にならない。

マットのR値は足し算OK

秋キャンプ向きといわれている「R値3」のマットを2枚重ねればおおよそ「R値6」になる。雪中キャンプでも十分対応できるマットとなるので、手持ちのマットだって組み合わせ次第で冬に使える。

ハイコット+マットが最強

底冷えを防ぐには、体がどれだけ地面と離れるかがポイント。かさばるけれど寒さが苦手な人は、コット(それもハイコット)とマットを組み合わせるといい。

コットの背中の下に荷物を入れる。これだけでも冷えが抑えられる。

寝袋の素材別 メリット・デメリット

■ダウン
メリット:軽い、コンパクトに持ち運べる。あたたかくなりやすい
デメリット:湿気や濡れで保温力が低下

■化繊
メリット:速く乾くので濡れても早く復活。メンテナンスしやすい。ダウンより安価
デメリット:重くてかさばる

寝袋と一緒に使いたい「マット」と「コット」のメリット、デメリット

マット
■メリット:コットより軽量・コンパクト 。厚みよりR値に注目!  R値が高いモノほど冷たさを感じにくい
■デメリット: コットよりも地面の冷たさを感じやすい

コット
■メリット:地面の冷たさを感じずにすむ。ハイコットだとより効果あり
■デメリット:かさばる。単独だと背中が寒くなる

※記事の内容は誌面掲載当時のものになります

取材協力

WILD-1デックス東京ビーチ店

都心にありながら大型テントを数張り常設する広さが自慢。スタッフの知識が豊富でギアやフィールド選びの参考になる。店舗限定アイテムを探すのも楽しみだ。

住所:東京都港区台場1丁目6-1 デックス東京ビーチ・アイランドモール5階
電話:03-3599-5311

文:大森弘恵 
写真:逢坂 聡 
出典:GARVY2022年12月号