【概要】一般車のなかで車中泊モデルとして人気が高かった名車を車中泊雑誌『カーネル』編集長・オオハシが紹介する連載企画。1回目はマツダ・ボンゴフレンディについて。

90年代のオートキャンプブームに現れた、メーカー純正「オートフリートップ」を装備したミニバン

車中泊雑誌『カーネル』2023年11月号vol.63からスタートした新連載。一般車(たまにキャンパー)のなかで、車中泊モデルとして人気が高かった名車を紹介していく。

その第1回は、マツダ・ボンゴフレンディ。いまでもカーネル読者にオーナーも多く、中古車市場でも人気が高いと思う(肌感)。

発売は1995年6月。時はオートキャンプブームの真っただ中で、GWや夏休みなどの連休はもちろん、毎週末のキャンプ場に人があふれていた時代だった。

1列目シートには、いまやミニバンのスタンダードともいえるウォークスルーが採用されていない。ミニバンなのにエンジンはフロントではなく、1列目シートの下にある。

ちなみに同年に発売された車種としては、トヨタ・RAV4の5ドアなどがある(3ドアはもう少し前)。

ミニバンも多数発売されており、いわゆる「ファミリカー」が、セダンからミニバンへと移り変わりゆくタイミングだった。

インパネを見るとやはり年代を感じる。

さて、このマツダ・ボンゴフレンディは何が画期的だったか。

それは、「メーカー」であるマツダが、オプションでもなく特別仕様車でもなく、スタンダードなグレードとして、オートフリートップ仕様をラインアップしたこと。

そしてこの電動開閉式を採用したオートフリートップの操作が、とても安定していたことだ。

当時、愛知県から上京して2カ月の私は、某クルマ雑誌にアルバイトとして在籍。このモデルの撮影に何度も同行している。

オートフリートップ未装着車もラインアップされていたが、2-3列シートで十分寝られた。

いまでも覚えているのは、天井にあるスイッチでオートフリートップの開閉を行ったときのこと。

びっくりしたのはクローズ時。テント部がきれいに折りたたまれ、約7割程度、閉じたところで一度ストップ。改めて、何も挟まれていないかを確認できるようになっていた。

その後、再度ボタンを操作すると完全に閉じる。ぜひとも再販してほしい機能のひとつだ。

マツダ・ボンゴフレンディ

販売期間:1995年6月~ 2006年4月

メーカーが販売する「グレード」として、オートフリートップ装着モデルがラインアップされたのだから画期的だ。電動ボタンで開閉する精度の高さはさすがメーカー純正だった。

文:大橋保之(カーネル編集部) 
初出:カーネル2023年11月号vol.63