【概要】真空断熱クーラーボックスQOOL「QOOL BOX」シリーズの紹介。アウトドアライターが真夏のキャンプ場で実際に使用しレビュー。オプションアイテムについても。

夏を迎え、クーラーボックスが注目されている。2023年のトレンドは、ずばり真空断熱パネル。

真空断熱パネルは文字通り真空状態を作ることで抜群の保冷力を誇る断熱材。

これまでは釣りメーカーの独壇場だったが、2023年はキャンプブランドも真空断熱クーラーを発表している。

真空断熱パネルをフタと底を含めた6面すべてに内蔵し、10日以上氷を保持できるものがあれば、4面だけ真空断熱パネルを内蔵し価格を抑えたものも。

容量、デザインそしてスペックにいたるまで真空断熱クーラーを“選ぶ”楽しみが増えたのだ。

異色なのはQOOL「QOOL BOX」シリーズ。

ドイツのバキュテック社という真空断熱技術をもつ会社が生み出したアウトドア用クーラーボックスで、外側が発泡ポリプロピレンで覆れていて一見トロ箱。

これには理由があり、万一、落としても衝撃を吸収して6面に搭載されている真空断熱パネルを守るという。

ブラック エコプラスとブルーの2モデルあり、どちらもリサイクル可能素材を採用。

さらにブラック エコプラスは特殊なリサイクル工程で古いプラスチックを粉砕、加工して再利用している。ドイツらしい環境に配慮したシリーズだ。

保冷力といいデザイン、構造ともに車中泊向き

QOOL BOX L ブラック エコプラス(7万1500円)

この「QOOL BOX」シリーズ、車中泊にすこぶる便利なのだ。

というのも「QOOL BOX」シリーズはハンドルがピタッと本体に収まり、余計な出っ張りはなし。

発泡ポリプロピレンはクルマに貼った木や樹脂を傷つけることがないので、壁にピタッとくっつけて収納できる。

おまけにフタがまるっと取れるので、車内のどこに置いても、どの方向からでもアクセスできる。

保冷力は保冷材の種類によるが、UPI鎌倉店で氷を満タンに入れたままときどき様子を確認する「アイスキューブテスト」を行ったところ、19日目でも市販のロックアイス程度の大きさの氷がびっちり浮いていた。

真夏の1泊なら余裕で氷をキープする。

カタログによると、条件次第だが最大10日間庫内の温度を一定に保つそう。

この保冷力なら、突然の停電でも冷蔵庫の中の氷とともに生鮮食品を移し換えることで、夏でもむだにせずにすみそう。防災アイテムとして備えてもいいかも。

エレメント L フローズン(3万4100円・写真)。ほかにクール(1万9800円)、フレッシュ(2万8600円)がある。

専用保冷材は「エレメント」といい、冷凍食品やアイスクリームの保管ができる「フローズン」(−20〜−10℃・白)、肉や魚の保管にちょうどいい「クール」(−2〜2℃・赤)、野菜や飲み物向きの「フレッシュ」(2〜8℃・青)の3種類。

写真の「フローズン」同様、6面の壁にピタッと沿わせることができるので食品を探すのも、取り出すのにも邪魔にならないのがいい。

混乱するのは一番温度が高い「フレッシュ」が青色で、肉・魚保管用の「クール」が赤色だということ。

なんとなく青のほうが低温で、高温の保冷材のほうが安価なイメージなので、購入する際は注意が必要だ。

本来、「エレメント フローズン」は丸3日凍らせる必要があるが、日程の都合で2日間、7割ほど凍らせた状態で真夏のキャンプ場へ。

完全に凍らせておらず、何度も開けたまま撮影したのでやや溶け気味となったが、翌朝でも冷凍ピラフはべちゃっとすることなくこの通り。

内寸は380×380×H300mm。

ギリギリ2Lペットボトルを立てられるが、「エレメント」を装着すると2Lペットボトルを立てて収められない。これが残念。

エレメント M フローズン(1万7600円・写真)。クール(1万1000円)、フレッシュ(1万5950円)。

ただし、「エレメント フローズン」を6面全部使うとかなり重くなる。

「QOOL BOX L ブラック エコプラス」は容量43Lで外寸525×525×H410mm、重量7.6kgと同クラスの6面真空断熱パネルモデルに比べても軽いほうなのだが、「エレメント」使用時は18.4kgに跳ね上がる。

多少保冷力は劣るが、1〜2泊ならMサイズ用の「エレメント」を用いれば重量は12kgに抑えられる。

また、あえて保冷バッグを入れて冷凍と冷蔵、冷蔵と野菜室の簡易2気室にするなんてことも。

アクセサリのまな板が使える

同程度の保冷力を誇るウレタン系に比べて薄いのもメリットだが、どうしても高額になる。

「QOOL BOX」シリーズのオプションは「エレメント」だけじゃない。

フタには浅いけれどもくぼみがあり、ここに装着する「クッションシート」と「カッティングボード」が用意されている。

正直、周囲が発泡ポリプロピレンに包まれているので「クッションシート」はなくても十分座りやすい。それよりも使い勝手がいいのが「カッティングボード」だ。

カッティングボード L(1万5950円)。

フタのくぼみにピタッとはまり、ずれない。フタを持ち上げるのが少々重くなるのが難ではあるが、クルマの荷室に載せればちょうどいい高さのキッチンとなるのだ。

「カッティングボード」は周囲にぐるり溝が付いていて、野菜を切ったときに出る汁や肉のドリップが車内に垂れにくくなっている。これもいい。

持続可能な森林から供給された木材を使っているのも好感をもてる。

ほかとは一線を画した6面真空断熱パネルのクーラーボックス「QOOL BOX」シリーズ、夏の車中泊旅のお供にいかがだろうか。

【問】アンプラージュインターナショナル

写真、文:大森弘恵

大森弘恵プロフィール

キャンプを中心としたアウトドアや旅の雑誌、ウェブメディアなどで活動するフリー編集者&ライター。キャンプの仕事に携わること約30年、ソロキャンプ歴は36年のおひつじ座 。