【概要】オンウェーの2023年新作タープ「フライングフォックスタープ」のレビュー。特徴、設営方法、使い勝手、スペックなど。

個性派「フライングフォックスタープ」を使ってみた!

長時間座っても疲れない「ディレクターチェア」や簡単に開閉できる「コンパクトテーブル」など、世界中の人々から愛されるファニチャー作りで知られるオンウェーよりドームテント「ブラックバードテント」とちょっと変わったタープ「フライングフォックスタープ」が発表された。

左が「フライングフォックスタープ」、右がドームテント「ブラックバードテント」。

ファニチャー作りでは老舗であるが、幕開発は2022年発売の「ヘキサデラックスタープBLK」が初の取り組み。

後発ではあるが、後発だからこそのアイデアが詰め込まれている「フライングフォックスタープ」(4万3780円)を試してきた。

六角形……だけじゃない!

収納サイズは約65×22×H22cm、総重量約4.34kg。

左よりロープとペグ、ポール、主幕、側幕2枚。

400×400cm程度の4人用ヘキサタープは、ポールやペグなどすべてそろえると重量4〜5kgのものが多い。

頑丈なスチールペグが16本、自在付きロープ16本もセットされた「フライングフォックスタープ」は軽量な部類と言えるかも。

設営方法は一般的なヘキサタープと同じ。幕を広げて2本のポールで支えるだけで、風がない日ならひとりでも設営できる。

主幕のみのサイズは約421×330cm。

120cm幅のテーブルを横置きにしても余裕あり。

まず、主幕だけを建ててみた。

六角形(ヘキサ)ではあるが、一般的なヘキサタープは両側が一直線なのに対し、「フライングフォックスタープ」の両側は三角に飛び出ている。

雨がきれいに排出されるし、西日避けにもよさそうだ。

この飛び出た部分は面テープで巻き上げOK。

六角形ではあるが、レクタングラータープのように並べて使いやすいのがおもしろい。

両側に側幕を取り付けると幅は約800cmに延長される。

「フライングフォックスタープ」は2枚の側幕が付いており、両側に取り付けOK。

倍ほどの広さになるのでグループキャンプにも対応する。

側幕1枚分は、コット1台が余裕で収まる広さ。接続部分を手持ちのポールで高く持ち上げても使いやすそう。

側幕の取り付けはトグルやファスナーではなく、主幕と同じ張り綱をはと目に通すだけ。実に単純でわかりやすい。

側幕は大きく下がっていて、横からの視線をカバーする。

側幕の角の張り綱は、メインポールの張り綱と同じペグを使えるためサイトもスッキリしている。

側幕をどちらか1面だけ装着してもいい。

ただ、側幕の代わりにテントと接続したくなるが、ポールがあるためロープを延長するなど工夫が必要だ。

裏面はシルバーで明るく、なんだかスペック以上の広さを感じる。

2つのはと目とポール部分の3点で主幕と側幕が接続されているので、風によって隙間があくことがある。雨と風のダブルパンチでは少々心許ないが、それはどんなテントやタープでも同じこと。

それよりも気になったのは、側幕を取り付けた状態では出入りのたびにかがまないといけないことだ。

サイトでのんびり過ごすなら気にならないかもしれないが、サイトを出たり入ったりが多いアクティブなファミリーなら1か所だけカラビナを用いて接続し、出入りの時に側幕と主幕の間が大きく開くようにしたほうがいいかも。

「フライングフォックスタープ」は、つなげるとオープンタープの開放感とシェルターのようなプライベート感をほどよく両立するし、切り離すとレクタングラータープのような開放感とアレンジを楽しめる。

使う人の創造力を刺激するタープだ。

【問】オンウェー

大森弘恵 プロフィール

キャンプを中心としたアウトドアや旅の雑誌、ウェブメディアなどで活動するフリー編集者&ライター。キャンプの仕事に携わること約30年、ソロキャンプ歴は36年のおひつじ座 。

文:大森弘恵 
写真:大森弘恵、SOTOBIRA編集部 
撮影協力:オートキャンプ・フルーツ村