【概要】モンベルのシュラフ「シームレスアルパイン バロウバッグ #3」のレビュー。モンベルの各種シュラフ「#3」モデル6製品を比較レビューする。

一年中使える汎用性の高い「#3」を比較!

モンベルのシュラフは、高所の冬山でも使える「EXP.」や「#0」から、夏の低山に適した「#7」まで、段階ごとに使用温度の目安を示している。

そのなかでも夏の高地から冬の低山キャンプまで、一年中使える汎用性の高い「#3」モデルに注目して、機能性の違いを比較検証!

〈比較レビューした6モデル〉
シームレスダウンハガー800 #3
ダウンハガー650 #3
シームレスバロウバッグ #3
★今回はこちら→④シームレスアルパインバロウバッグ #3
⑤ダウンファミリーバッグ #3
⑥ファミリーバッグ #3

細かい部分まで突き詰めて軽量化を図ったモデル

以前紹介した「シームレスバロウバッグ」に“アルパイン”の文字が入ったこのモデルは、少しでも装備を軽くしたい人向けに作られたシリーズ。そのコンセプトから「シームレスバロウバッグ」と仕様の異なる部分がいくつかある。

ひとつ目は“伸びる生地”の仕様が「スパイラルストレッチシステム」だということ。

「スーパースパイラルストレッチシステム」と違い、糸ゴムを使用していないので、その分軽量だ。しかし伸縮率は、114%と若干低くなっている。

ふたつ目はファスナーの違い。ほかのマミー型モデルのファスナー長が170cmなのに対し、このモデルは150cm 。ファスナーを短くすることで軽量化を図っている。

もうひとつは、右ファスナーモデルしかないこと。ほかのモデルは左ファスナーモデルもあり、右モデルと左モデルをジョイントできる。

しかしこれは左モデルがないうえに、ファスナー長がほかのモデルより短いので、どのモデルともジョイントができない。

「シームレスバロウバッグ」との違いがわかったところで、どちらが自分向きなのか、じっくりと考えてみよう。

注目のポイント

使用中綿はエクセロフト

太さが異なる3種類のポリエステル繊維をブレンドした独自開発の「エクセロフト」が中綿。保水しないので汗や雨に濡れても保温力をキープ。

少し短めのファスナー長を採用

ファスナー長150cmと他モデルより20cm短い。必要最小限の長さにし重量をシームレスバロウバッグ#3より35g軽くしている。

アジャスターで冷気侵入を防ぐ

フードアジャスターを締めることでフードが頭にフィット。これにより冷気の侵入や暖かい内部の空気が逃げることを防止する。

ストレッチ性チェック

※モデル身長165cm

内側に「スパイラルストレッチシステム」を採用した伸縮率114%の生地は、あぐらをかくと、足元や肩口が少々きつめ。寝ているときによく動く人は、窮屈さを感じるかもしれない。

生地チェック

柔らかい肌触りながら、高い強度を備えた、30デニールのスーパーマルチ・ポリエステル・タフタにはっ水加工を施した生地を使用。綿が外へ抜けることも少ない素材だ。

ファスナーまわりチェック

勝手に開いてしまうことを防ぎ、生地の嚙み込みを防ぐオートマチックロック・ジッパーを装備。また中綿入りフラップの装備で、冷気の侵入や生地の嚙み込みを防ぐ。

収納サイズ比較

左から4番目がシームレスアルパインバロウバッグ#3。

・収納サイズ:φ17×34cm
・重量:928g(スタッフバッグ含む)

シームレスアルパインバロウバッグ#3 スペック

対応身長:~183cm
快適温度:5℃
使用可能温度:0℃
価格:1万5400円
【問】モンベル・カスタマー・サービス

https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1121437

文:牛島義之 
写真:佐藤弘樹 
協力:PICA富士吉田 https://www.pica-resort.jp/yoshida/ 
初出:GARVY2022年8月号