【概要】ハイとローの中間的なスタイルである「ミドルハイ」という座面高が特徴のテントファクトリー「TFローバーチェアMH」を実際に使って、その使い心地を解説。

実は「ロースタイルが合わない……」という声も多い

一般的な高さのダイニングテーブルとチェアを使った「ハイスタイル」が、これまで主流だったキャンプスタイル。

とはいえ最近では、ローテーブルにローチェアを組み合わせた「ロースタイル」人気が進んで、今やオールドスタイルとなりつつあります。

しかし、ハイスタイルからロースタイルに移行した人のなかには「立ったり座ったりが面倒」「膝が立つので食事しづらい」など、デメリットを指摘する人も。

とくに腰痛のある人は、着座姿勢や立ち座りの動作は腰に負担となることから、再びハイスタイルに戻す人もいるようです。

日本人の5人に1人は腰痛持ちというデータもあることから、この“ロースタイル問題”が切実な人も多いのではないでしょうか?

そこでおすすめしたいのが、テントファクトリーのチェア「TFローバーチェアMH」です。

一体どのようなチェアなのか、詳しく解説していきましょう!

ローバーチェアを「ミドルハイ」に!

ローバーチェアとは、イギリス軍のランドローバー製トラックに装備されていたミリタリーチェア。

薄くたためてかさばらずに収納できることから、多くのアウトドアメーカーからリバイバルされています。

そんなローバーチェアをテントファクトリーが独自の視点で開発。それが「TFローバーチェアMH」です。

サイズは約54.5×59.5×82cm。ローバーチェアの特徴である、安定感のある独特な脚部デザインや肘掛けに天然木を採用する点などは、しっかりと踏襲されています。

収納サイズは55x82.5x10cmと薄型で、重量は2.7kg。フレームはアルミ製で軽量なので、持ち運びも楽にできます。

そして、この「TFローバーチェアMH」いちばんの特徴は、座面高がハイチェアとローチェアの中間的な高さに位置しているということです。

名前に付けられた「MH」とは「ミドルハイ」の頭文字で、その特徴を表しています。

ハイ、ロー、ミドルハイを比較してみたら……

では具体的に、どのような高さを採用しているのでしょう? ハイチェア、ローチェアと比較しながら「TFローバーチェアMH」を見ていくことにしましょう。

写真左がコールマンのハイチェア「スリムキャプテンチェア(旧モデル)」で座面高は約45cm。

右がテントファクトリーのローチェア「ZELデッキチェア」で座面高は約25cm。

そして中央が「TFローバーチェアMH」で座面高は約38cmです。

写真を見ると、ハイチェアが高いのはわかりますが、ミドルハイとローはあまり違いがないようにも思えますね。では実際に座って、その違いを確認してみましょう。

ローチェアに座るとこんな感じ。脚を伸ばして座ればソファのようにゆったりとした姿勢で座れるのですが、脚を曲げて座ると膝が腰よりも高い位置に来るので、立ち上がるとき腰に負担がかかってしまいます。

対する「TFローバーチェアMH」は、膝がほぼ直角に曲がるので、ハイチェアに座っているような姿勢で座ることができます。立ち上がるときも、スムーズに重心移動ができるので楽に立つことができます。

実際にローテーブルと一緒に使用すると、ローチェアでは少し窮屈な感じがありますね。

「TFローバーチェアMH」の場合は、テーブルが少し低めになりますが、器を持って食べれば違和感はありません。その点はローチェアでも同じなので、問題はありません。

ハイとローで悩んだらミドルハイ!

実用性はハイスタイルのほうがあるけれど、見た目はロースタイルがいいかな……とキャンプスタイルに悩んでいる人がいたら「ミドルハイスタイル」をチェックしてみてはどうでしょう? 

また、ロースタイルに変更したのはいいけれど腰に負担が……という人は、手持ちのローテーブルはそのまま使い続け、チェアだけをミドルハイにすれば「ミドルハイスタイル」に早変わり。買い替えコストも抑えられます。

小さな子どもがいるファミリーは、大人は動きやすいミドルハイチェアで、子どもは足が地面に届くローチェアという使い方も可能です。

そんなミドルハイスタイルを演出してくれる「TFローバーチェアMH」で、新しいキャンプスタイルを楽しんでみては?

執筆:牛島義之

アウトドア雑誌の副編集長職を経て、フリーエディター&ライターとして独立。以降、アウトドアをはじめ、グッズ、クルマ、旅行、ペットなど、レジャー関連を中心に、さまざまなジャンルで執筆活動している。

写真、文:牛島義之