【概要】車中泊で愛用している寝具と選び方のコツなどを、ホンダ・N-VANで全国を旅するruiさんが紹介。

車中泊で重要なポイントのひとつが「体が痛くならない寝方」。年間300日、ホンダの軽バン・N-VANで車中泊をしているruiさんは、どんな寝具を使って快眠しているのだろうか。

ruiさんが愛用している寝具やその理由、その寝具にたどり着くまでの遍歴、選び方のコツなどを聞いてみた。

教えてくれたのは……ruiさん

ホンダ・N-VANをDIYして日本全国を旅するひきこもり……のはずが、最近は1年の半分くらいを北海道で過ごしている。たまにホテルを取っても広いベッドが落ち着かなくて、PCなどを充電してお風呂だけ入って、駐車場で車中泊している。

Q.軽バンで寝る場合の寝具選びのコツは?

A.軽バンをテントだと思って考える

スペースの限られた軽バンで車中泊する際、「クルマで寝る」と考えずに「鉄のテントで寝る」と思って、アウトドアショップに行くのが近道だと思います。

車内では運転以外は寝るだけ、食事なんかも外で済ませる、という人は、普段使っている布団が最強。

でも、そうじゃない人はテント泊で使うギアがコンパクトで寝心地も保証される最適解だと思います。

ある程度のクオリティーのものを買っておけば、車中泊以外でも使えるので、安価なものを何個も買うくらいなら、最初に多少の投資をしたほうが体も痛くならずに済むはずです。

Q.どんなマット(布団)を使っていますか?

A.マットではないソファベッドと、布団ではない寝袋

一般的には、折りたたみマットレスや羽毛布団で車中泊するのが最適解! みたいにいわれていますが、どうしてもN-VANだとスペースの都合で大きな寝具は置いておけないので、普段はソファとしても使えるタンスのゲン・3ウェイコンパクトソファーベッドをマット代わりに。

布団の代わりにモンベルのダウンハガー650#3を使っています。寒いときはサーマレスト・Zライトソルを敷き、モンベルのウォームアップシーツをインナーに。そして寝袋の上からチャイハネのパッカブルブランケットをかけて寝ています。

Q.その寝具を選んだ理由は?

A.快適性と収納時のコンパクトさ

タンスのゲン・3ウェイコンパクトソファーベッドは、幅が60cmなのでN-VANの助手席幅にぴったり。展開して広げたときはまるで純正マットレスかのように車内にフィットします。

折りたたんでソファとして使えば、日常でも邪魔にならない。かなり厚みがあるので寝ていても底冷えせず、座ったときも高さがあって長時間作業していても苦になりません。

モンベルの寝袋は、本当はもっとフィルパワーの高い、暖かいもののほうが最適なのですが、これ以上、収納時に大きいのは厳しいので650の#3にしました。

Q.これまでの寝具遍歴は?

A.試行錯誤の末たどり着いたソファベッドと寝袋

最初は通販で買った安物のエアマットと薄手の寝袋でした。空気を入れて膨らますタイプのエアマットは、ある程度コンパクトなのはよかったけれど、毎日膨らませたりしぼませたりをするのが面倒に感じるように。また寝返りを打つとバランスを崩してマットが跳ね上がったりして大変でした。

寝袋も薄手で寒くて寝られないことも。最終的にはタンスのゲン・3ウェイコンパクトソファーベッドとモンベルのダウンハガー650#3を使っています。

Q.買って失敗だったものってある?

A.準備と片付けに時間がかかるものは避ける

車中泊においての最大の敵は「ベッド展開」と「シェードの脱着」という持論をいろんなところで伝えています。

膨らますのに時間がかかるマットとか、布団圧縮袋に羽毛布団を押し込んで収納するとか、とにかく準備や撤収に手間がかかるものは、長旅だと3回目くらいで嫌気がさしてきます。

こうなってくると車中泊自体が面倒くさいものになってしまい、楽しめないケースが多いです。

解決策は、簡単に展開できるギアでそろえるか、常設ベッドにしてしまうかの二択です。ある程度長期で車中泊旅を楽しみたいなら、シンプルに使えるものを。

※当記事はカーネル2023年3月号vol.59の掲載記事から一部を抜粋、再編集して掲載しています

文:rui 
写真:rui、逢坂 聡 
初出:カーネル2023年3月号vol.59