【概要】アメリカ・ラスベガスで開催されたカスタムカーイベント「SEMA SHOW」の取材レポート。フォード・ブロンコ、ジープ・ラングラーのオーバーランドモデルの紹介。

新世代ブロンコの台頭が、ラングラーの牙城に切り込む

1942年に登場したCJ-1をルーツにもつジープ・ラングラー。アメリカのオーバーランダーを代表するこのモデルは2006年に登場したラングラーJK型、さらに現行のJL型が大成功し、日常使いもできる近代オフロード4WDとして存在感を強めてきた。

アウトドア好きからの人気も高いため、数々のアフターマーケットパーツが登場。カスタマイズを楽しむための素材として、高いポテンシャルを保持している。

ラングラーのJLモデルと同時に登場したピックアップタイプのグラディエーター。大きなラゲッジスペースを確保できるので、多くの人から注目されていた。

そんなジープの成功を横目で見ていたフォードは、60~70年代にかけてフリーダムの象徴として大成功を収めたアーリー・ブロンコを、2020年に復活させた。こちらも現在、特にカリフォルニアを中心とした西海岸で、爆発的にヒットを続けている。

アウトドアマーケットで、ほぼ独占と言っても過言ではないシェアをキープしてきたラングラー。しかしながら、新世代ブロンコによって、ついにその牙城が切り崩され始めている。

敷地奥に展示された60年代のアーリーブロンコ。プロポーションバランスを再現するなら、断然2ドアのショートボディ。ヴィンテージ感のあるカラーリングが、所有欲をそそる。

どちらのクルマも、日常の足として使えるのはもちろんのこと、オフロードでの走破性の高さは折り紙付き。

トルクフルなエンジンと堅牢なトランスミッションは、4WDならではのオーバーランド体験を、オーナーにもたらしてくれている。

2022年のセマショーでは、後発である新世代ブロンコのモディファイパーツもかなり出そろい、どちらも同レベルのカスタマイズが施された車両が豊富に展示されていた。

今後も手軽に、そして本格的にオーバーランディングを楽しむことのできる車両として、高い人気が続いていくであろう、この2車種の詳細を紹介しよう。

ブロンコ BRONCO

最新機能を搭載したスマートな新世代4×4

ちょうどいいリフトアップ量とタイヤのバランスが、カスタマイズの真髄。マットブラックにオレンジのアクセントがCool!

オーバーランダーはパイプフレームドアに交換すると、ヘビーデューティー感がアップする。

大きなアールのフェンダーフレアに交換して、ワイド感を強調。テールラックにはGASタンクを追加。

Jadaはブランド名と等高線グラフィックをアレンジしたステッカーで、ボディ側面全体をデコレート。

グラフィック化した赤十字を入れたメディカル仕様。キャンバスが張られた軽量パイプフレームドアもいい。

ブロンコの形はしているものの、レース用の架装ボディをまとった、砂漠を疾走するロックレーサー。

最近流行のライトグレーに、ヴィンテージ系カラーのストライプと樹脂フェンダーを組み合わせている。

ルーフラックに自転車やカヤック、キャンプギアを搭載。横開きのリアゲートに装着される便利なトレイ。

標準は取り外し可能な屋根が装着されているが、折りたたみ式トップに交換すれば簡単にコンバーチブルに。

ラングラー&グラディエーター WRANGLER & GLADIATOR

伝統的なデザインを守りつつ進化を続けるブランドアイコン

大光量LED補助ランプ、電動ウインチ、ロールバー、ヘビーデューティーショックなど、フルカスタム装備のお手本。

ジープのカスタマイズのトレンドは、ピックアップトラックタイプのグラディエーターを使った車両。実際に積載能力が大きく向上するので、4人でアウトドアに出かけるときにも十分なギアを持っていける。

ショートホイールベースに、前後のバンパーも小型化して、いらない装備を削り落としたモデル。フィールドでの機動力が高い仕様。

走破性の高さもジープの大きな魅力。

メタルフレームドアが、堅牢なイメージをアップさせている。

パーティー好きのアメリカンは、ボートさながらのアウトドアスピーカーを装着。

カスタムメタルバンパーとウインチの組み合わせがCool。

およそオフロードの雰囲気ではないが、こういうカスタムもUSAマーケットならでは。

クーペシェイプのリアハッチ。

初出:カーネル2023年1月号