【概要】キャンプをしながら星空の撮影などを行う映像クリエイター・クモシカリタカヒロさんに聞いた、冬キャンプの寒さ対策を紹介。使用アイテムやテクニックなど。

凍えるような寒さのフィールドでも、快適にキャンプを楽しんでいるキャンパーが多い。でも、そんな熟練キャンパーたちは、どんなアイテムを持ち、準備をしているのか? そこで、星空撮影の達人にとっておきの防寒術を教えてもらった!

教えてくれたのは……クモシカリタカヒロさん

映像クリエイター。趣味で始めた動画制作が、気がついたら本業になっていた脱サラ系映像クリエイター。撮影から編集までひとりで行うため、適宜、考えながら撮影を行い、作り上げていくスタイル。

寒さ対策の特効薬は「風の侵入を防ぐこと!」

自動車関連の動画を中心に、さまざまな映像制作を手がけているクモシカリさん。

星空の撮影は、ここ数年のめり込んでいる趣味的要素が強い得意分野のひとつ。時間ができれば愛車を走らせ、ひと晩中撮影しているという。

最高の一枚を求め、テントを背負い山頂でキャンプを行いながらの撮影も多い。

「星空を撮影する際は、周りに余計な街灯や遮蔽物がないことが条件。ある程度標高のある山頂や海岸線など、風景に奥行きと広がりのある場所を選ぶことが多いです」。

「そういった場所は、やはり風も強く吹きつけるので体感温度が低くなりがち。そのため、しっかりと風の侵入を防ぎながら、体温が下がらない防寒スタイルがマストになりますね」。

ウエアはダウンジャケットにパンツ、首にはネックウオーマーを身に着ける。基本的には登山用の動きやすいアイテムをチョイスしているそうだ。手袋はカメラの操作をするため、指先がめくれる仕様になっている。

「一度撮影を始めてしまえば、とくに細かい操作は必要ないんですよ。ただ、カメラに何かトラブルが起こるといけないので、隣で待機していることが多いんです。とにかく冷えるので、あたたかい飲み物が欲しくなりますが、コーヒーなどのカフェインが含まれるものは利尿作用があるので、なるべく控えて白湯を飲むようにしています」。

クルマの隣で撮影できるシチュエーションばかりではなく、実際に登山することもあるので、持ち運びやすさを優先してギアを選んでいる。

「寒さが限界のときは、おとなしく寝袋に入って耐えしのいでいます(笑)」。

基本的には動きやすいライトな装備

ヘリノックスのチェアワンやモンベルの寝袋は、撮影の際の必需品。カメラのバッテリー充電用にジャクリのポータブル電源も後部座席に積んでいる。

キャンプをする際は、ニーモのテントやスリーピングマットといったULなギアを組み合わせて、なるべくコンパクトに。細かいギアは、アルポスのコンテナに詰めてラゲッジルームへ。

冬キャンプ、寒さ対策の特効薬①
やっぱり基本はダウン着用!

防寒用のウエアは、上下ともにナンガのダウンをチョイス。パンツは小さく収納できるパッカブルタイプ。ダウンの厚みも気にするそうだが、それよりも「ジャストサイズ」で風の侵入を防ぐことを優先しているそうだ。

冬キャンプ、寒さ対策の特効薬②
冷えは足元からやってくる

通常は歩きやすさを優先してトレッキングブーツを着用することが多いが、極限まで冷え込む際は、ダウンを内蔵したスノーブーツが必要となる。靴下は永久保証のついた登山用のダーンタフ。

冬キャンプ、寒さ対策の特効薬③
隙間をなくしてしっかり保温

ネックウオーマーが防寒の重要アイテムと話すクモシカリさん。冷気の侵入はもちろん、上まで伸ばせば、唇や耳なども冷えから守れるそうだ。

「あまり着込むのも好きではないので、ひとつのアイテムでしっかり暖を取りたいんですよ」。

冬キャンプ、寒さ対策の特効薬④
できるだけカメラのそばから離れない! カメラ機材も寒さ対策

星の動きに合わせて可動する赤道儀は、アイオプトロン製を使用。レンズには結露を防ぐヒーターを取り付けている。温度の急な変化にレンズは弱いので、撮影の少し前から外気に触れるようにしているそう。

バッグはニューヨークを拠点とする「shimoda」製。愛車は、スズキのジムニーシエラ。タイヤは悪路に強いジオランダーをチョイスしている。

※記事の内容は誌面掲載当時のものになります

写真:逢坂 聡 
文:高梨達徳 
初出:GARVY2022年12月号