【概要】2023年春に開業予定のキャンプ場「-be- 北軽井沢キャンプフィールド」の運営に挑戦している「ハイパーキャンプクリエイターズ」を取材。開業までの道のりや整備、運営、キャンプ場づくりのQ&Aなど。

理想的なアウトドア生活を楽しむために、山や土地を購入する人たちが注目を集めている。

そんななかで、さらに歩を進めて、理想的なキャンプを「楽しんでもらう」ために、自分たちでキャンプ場をつくり運営を行う「キャンパー」たちも増えてきている。

キャンプを楽しむ側から、楽しませる側へ。今回は、そんなキャンプ場運営に挑戦している猛者に話を聞いた。

キャンプ場を知り尽くしたふたりがひと目惚れしたフィールド

「翌日はプレオープン」という忙しいタイミングでも、笑顔で対応してくれた佐久間さん(右)と山口さん(左)。

「ハイパーキャンプクリエイターズ」で人気の、「さくぽん」こと佐久間亮介さんと、「ヤマケン」こと山口健壱さん。

ふたりはライターやキャンプ場の手伝いをしながら全国のキャンプ場を巡り、SNSがそこまで浸透していなかった時代からブログを通して情報を発信してきた。

その知見を生かし、2023年から北軽井沢でキャンプ場「-be- 北軽井沢キャンプフィールド」を開業する。「都会での生活や仕事で疲れた体を癒やし、素の自分に戻れる施設にしたいです」と意気込むふたり。

だが、ここまでは苦い経験もあった。2019年に、茨城県でゼロからキャンプ場を開拓。しかし、途中で開発行為の許可が下りない事態に直面し、4カ月間の作業も虚しく断念した。

しかし、2022年1月に事態は急転する。北軽井沢の人気キャンプ場・北軽井沢スウィートグラスを運営する「有限会社きたもっく」が、多方面のゲストを招いたWEBセミナーを開催。

そこに佐久間さんはゲストとして登壇し、キャンプ場運営について熱く語り、同社の社長からのフィードバックに感動する。

「この人の近くで仕事がしたい」と、佐久間さんは北軽井沢でキャンプ場を開拓できないかを相談。

「ヤマケンと一緒に、過去に半年間ほどスウィートグラスで働いたことがあります。その後もプライベートやビジネスで度々お邪魔し、運営方法を含めて、たくさん学ばせていただきました」

セミナー後、スウィートグラスの方と町内をめぐり、2年以上営業していなかったキャンプ場にたどり着く。

「あまりに気持ちいい風景に感動して、佐久間とここでやろうと意気投合しました」と山口さん。

宿泊価格は1サイト1泊7000円程度(ファミリー向けサイト)を想定。有限会社きたもっくの薪事業「あさまの薪」から、地元産の薪を仕入れて販売する。

2022年10月~11月末と年末年始はプレオープンとして営業。グランドオープンは2023年4月ごろの予定だ。

「-be- 北軽井沢キャンプフィールド」の魅力

ゆったり楽しめるフリーオートサイト

キャンパーがゆったり過ごせるレイアウトを考え、エリアごとに特徴をもたせるサイトづくりを目指す。サイトはすべてクルマが横付け可能。「将来的には、AC電源サイトとキャンピングカーサイトも整備します」

トイレ、シャワーが完備

プレオープン時はトイレの一部とシャワー(有料)は使用可能だったが、施設奥のトイレとサニタリーハウスは使用不可。「来春の本オープンまでに、ほかの施設も整備してキャンパーにとって使い勝手のいい環境にします」

奥にワイルドサイトも展開

少しずつ整備を進める奥のサイト。ここは自然の状態を生かし、ソロキャンプやブッシュクラフトなど、野性味あふれるサイトを想定。「管理棟近くがファミリー向けの広いサイトなので、奥は異なるコンセプトで」。

佐久間さん&山口さんに聞いた、キャンプ場づくりQ&A

【Q1】土地はどうやって見つけた?

【A】地元のキャンプ場の方と一緒に探して発見しました。

標高1100mの北軽井沢。天候がいいと、夜は満天の星が広がる。「空気も澄んでいて、癒やし効果は抜群です」。

スウィートグラスの方が町内を案内してくれ、その候補のひとつがこちらの施設だった。

「元は『軽井沢オートキャンプ場クリオフィールド』という施設でしたが、2年ほど前に閉鎖されたようです。その居抜きを引き継いだんです。放置されていたことで場内が自然に戻りつつあるので、人も鳥も木々も居心地のいいサイトを目指しています」。

管理棟近くのサイトにはさまざまな樹木があり、四季折々の風景が楽しめる。「紅葉はもちろん、鳥やリスも観察できます」。

【Q2】引き継いでよかったことは?

【A】農具備品や電気、水道がそのまま使えることです。

小屋にあるショベルカーや作業用具などは自由に使えた。「道具に加えて助けてくれる仲間がいたから、ここまで整備できました」。

「軽井沢オートキャンプ場クリオフィールド」にあったものは、基本的にそのまま。特に管理棟や炊事場まわり、サイトを整備する備品類はとても助かっているという。

「引き継いだものに加えて、茨城県で開拓をしていたものを引き続き活用しています。建物をゼロからつくるのは、時間もお金も段違いにかかるので使えてよかったです」。

フリーサイトの一角に白樺が生えており、目印としてもいい役割に。「標高の高い場所に来た! と感じてほしいです」。

【Q3】一番大変だったことは?

【A】泥取りや草刈り、管理棟清掃が主に苦労しました。

元々あった建物や設備は引き継いだものの、2年半放置されていたこともあり、キャンプができるレベルにするための整備に時間と労力がかかった。特に、水路の復旧はふたりでは難しかったとのこと。

「泥の量が尋常ではなく、スコップとツルハシを購入し、男10人でやっと作業できました」。管理棟もふたりが寝泊まりでき、ある程度冬を過ごせるまでに片付けるのにひと苦労だったそうだ。

水路は泥で埋まっており、雨が降ると水たまりの温床に。友人たちの力を借りて、手作業で泥をかき上げて水路を確保。

奥のワイルドサイトへ行く道はショベルカーを駆使し、土を整えて平らにした。「ほぼ歩けない道だったので整えるのは大変でした」。

【Q4】今後、進めることは?

【A】バンガローを清掃して使えるようにしたいです。

ログキャビンは6棟あり、閉鎖前まではクルマを横付けにして利用されていた。これから整備を進めていく。

2022年10月になんとかプレオープンまでこぎつけ、念願のキャンプ場開業を実現した佐久間さんと山口さん。次の目標は何か。

「たくさんの方に静けさや豊かさを感じてほしいですね。キャンパーさんを想像して、サイトの作り込みや設備にこだわっていきたいです。オリジナリティのあるレンタルや物販も進めていきます」。

放置が続いたため、雨が降ると水たまりも。「地元の方にも相談して、これから改善していきます」。