キッチンユニットは右サイドが定番に
現在、左ハンドルのフルサイズバンは、ほぼそのすべてが右側にスライド、もしくは観音式の後部側面ドアを備えている。
そのためカスタムバンの黎明期には、運転席背後にキッチンスペースを設置する室内デザインが大半であった。ところが、ここ数年間で登場しているのが、助手席後方にキッチンを設置するレイアウトだ。
この場合、ドアの開口部を少しふさぐようにキッチンユニットをセットするのがポイント。メリットは、運転席後部のスペースにキャビネットやシャワーを設置できるなど、レイアウトの自由度が高くなることに加えて、ドアから車外にテーブルを延長できることなど。
そして、コンロをドア側にした場合、換気が効率的になることも大きなメリットだろう。
▲右サイドにキッチンユニットをレイアウトした例。右サイドにシンクとコンロの両方を設置する場合もあれば、左右に分けてレイアウトする場合もある。比較的、右のドア側にはシンクをセットする場合が多いようだ。アウトドアで使うRVバンは、スライドドアを開けたままにする場合が多いので、車外にテーブルを延長できると、何かと使いやすいのも大きなメリットだ。
▲RVライフで重要なキッチン環境は、さまざまな方法で進化している。ミニバンなどの場合は、リアゲートを開けば、すべてキッチンになるモデルもある。
▲ボックス一体型で、シンクとコンロがセットされたアイテムも人気が高い。
▲コンロはIHヒーターを組み込んだものから、カセットタイプまでさまざま。ユーザーごとに、使い勝手のいいキッチンシステムを使っているようだ。
▲まるで自宅キッチンのように、バックスプラッシュタイルが張られたデザインもある。
進化し多様化するRVのバスルーム
フルサイズバンが基本となると、できればシャワーブースも取り付けたくなるもの。アメリカではこのシャワーブースもかなり進化しているので紹介しよう。
既存モデルでもシャワーホースだけが装備され、クルマの外で使えるものはあった。しかし、今回はかなり大きなスペースのシャワーブースを装備している車両も展示され注目をあびていた。
新しいトレンドとしては、車両後部を大きなシャワーブースとトイレにしているクルマで、なかにはレインシャワーを備えるものもあるほどだ。
後部にシャワーブースを設置するのは、一見スペースを無駄にしているように思える。しかし普段は、自転車などの大きなアウトドアギアの収納スペースとして使うので、収納スペースとしての使用用途は高く、効率は悪くない。
出典:カーネル2022年9月号vol.56