【概要】エコフローのポータブル電源やポータブルクーラーなど、同社製品を体験できるイベントの参加レポート。独立型電源システム「EcoFlowパワーシステム」も初お披露目された。

少ない配線と省スペースを実現した「EcoFlowパワーシステム」

これが7月発表の「EcoFlowパワーシステム」(写真左)だ。

電源の中央制御システム「パワーハブ」と「EcoFlow LFPバッテリー」、電力消費をコントロールする「スマート分電盤」と消費電力の見える化に役立つ「タッチパネルモニター」から構成されており、これまでのような複雑な配線(写真右)なしで電力を供給する独立型電源システムだという。

従来のモジュール式電源システムは電気工事士が半日がかりで設置するが、「EcoFlowパワーシステム」なら作業時間は2〜3時間ですむという。

また、EcoFlowLFPバッテリーは縦積みできるので設置スペースも少なくてすむとも。限られた車内を有効活用できるのはうれしい。

パワーハブは非常にコンパクトだが、この中にMPPTソーラー充電器2台とMPPT付きDC-DCバッテリー充電器、インバーター、DC-DC降圧コンバーターを備えている。

つまり、オルタネーターやソーラーパネル、スマート発電機、LFPバッテリー(リン酸鉄リチウム電池)などとともに電源タップとパワーハブと接続し、スイッチを入れるだけで準備完了。

たしかにこれなら電気工事士の資格をとったばかりのDIYビギナーでも車中泊カー作りに取り入れられそうだ。

パワーハブと2kWhのLFPバッテリー、ケーブルパックというもっともシンプルな「スターターキット」(57万2000円)でもいいが、スマート分電盤を追加すれば(セミコンプリートキット:63万8000円)、最大6つのAC回路と12のDC回路を接続でき、アプリや別売のタッチパネルモニターで6つの回路を制御できるようになる。

「EcoFlowパワーシステム」ではLFPバッテリーを最大15kWhまで拡張できる。これはキャンピングカーなら18時間ほど供給できる容量で、最初は2kWhで運用し、必要なら後から追加することも可能だ。

車中泊専門誌『カーネル』でもおなじみ、VAN LIFE車両の製作やDIYアドバイザーとして活躍している鈴木大地さん。

会場では鈴木さんが手がけたスクールバスを展示。

スクールバスをベースにしたキャンピングカーを製作するにあたり、電源についてEcoFlowに相談にいったところ「EcoFlowパワーシステム」が発売されると知り「これだ!」と思っていち早く装着させてもらったそう。

鈴木さんの場合はソーラーパネル、バッテリー(2kWh×2)、デルタプロ(3.6kWh)で電力をまかなっている。

スクールバスの中を見せてもらった。テレビや扇風機、ポータブルクーラーなどがあり、まるで山小屋のような快適空間だ。

「EcoFlowパワーシステム」の最上位キットは、セミコンプリートキットのバッテリーを最大容量の15kWhとし、タッチパネルモニターとEcoFlowスマート発電機(ガソリン発電機)も加えた「コンプリートキット」(220万円)。これにソーラーパネルを加えれば長期に渡る停電への”備え”となる。

「コンプリートキット」ともなれば気軽に手を出せない価格になるが、工賃は従来型よりも大幅に抑えられるとのこと。

未来を見据えた48Vシステムでもあることだし、自分の山にキャビンを建てるなんてときに取り入れてもよさそうだ。

「EcoFlowパワーシステム」はキャンピングカー作り、そして”週末オフグリッド生活”をサポートしてくれる新しいシステムだ。

【問】EcoFlow

写真、文:大森弘恵