驚き(⁉)の計測結果は……!
日なたの地面の温度 40.2℃
遮熱加工ありのタープ内側 49.5℃
木漏れ日+遮熱加工ありのタープ内側 27.7℃
遮熱加工ありのタープ下 20.0℃
遮熱加工なしのタープ内側 29.4℃
遮熱加工なしのタープ下 26.4℃
遮熱加工ありタープは幕が熱を蓄える!
それぞれの「幕」の温度を測ったところ、遮熱加工ありのほうが20℃ほど高温だ。
遮熱加工ありのほうが涼しく感じるのに、高温になるとは……まさか温度計が壊れているのかと思い、地面の温度を測ると遮熱加工ありのほうが5℃以上涼しいという結果に。
遮熱加工は熱エネルギーの侵入を低減する加工のため、幕が熱を蓄えていたのだ。
風向きは考慮せず設営。定番タープは風が抜けやすく、遮熱加工ありタープは風が通りにくい角度。それでこの結果なのだから、同じ向きにすればもっと差が出たに違いない。
ちなみにUVカット加工を施したタープがあるが、遮熱加工は赤外線に対応するもので、UVカット加工は紫外線に対するもの。似て非なるものと覚えておきたい。
熱をため込むけれど地面は涼しい!
影の濃さに注目! 影の濃さが大きく異なっており、影が濃いほうが断然涼しい! これが遮熱加工のすごさだ。“遮光”加工も赤外線に近い波長をカットするので涼しいが、やはり“遮熱”とうたった加工のほうが効果は歴然。
TIPS 木陰はなぜ涼しいの?
幹や葉っぱが、強烈な日差しが地面に届くのを遮ってくれるのはもちろん、葉の蒸散作用も大きい。葉は水分を蒸発させ、その気化熱で葉の温度上昇を抑えているのだ。このおかげで木陰は建物の陰よりも涼しい。
タープの一部にでも木陰があるとより涼しくなるし、風上に木陰があれば、冷やされた空気がタープの下を通り抜けるというわけ。
結論!
遮熱加工はスゴイ! 風上に木陰があればなお効果大
日なたの地面の温度に比べて、UVカット加工で約15℃、遮熱加工なら20℃以上も温度は低くなる。遮熱加工はダテじゃない。
木陰がないサイトでも、風上に森があり、冷やされた空気がタープを通り抜ければ、より涼しく過ごせるとわかった!
※数値は編集部調べ。記事内の温度データは一例であり、タープの設営場所や当日の天気によって異なります。
文:大森弘恵
出典:GARVY2022年8月号
※当記事は、GARVY2022年8月号巻頭特集「夏キャンプの最適“快” 暑さ対策」の記事を再編集したものです。