【概要】熊本県天草の道の駅と車中泊スポットを紹介。おすすめと適していないスポットを車中泊専門家・稲垣朝則氏が解説。

車中泊に適した道の駅は3つ

2021年の3月にオープンした「道の駅 宮地岳かかしの里」を含めると、天草には6カ所の道の駅がある(2021年11月現在)。

めぐるルートにもよるが、そのなかで観光目的の車中泊に適しているのは、「道の駅 上天草さんぱーる」「道の駅 有明」「道の駅 うしぶか海彩館」の3つの道の駅になるだろう。

また電源が格安で使える施設では、「道の駅 上天草さんぱーる」の向かいにある「宮津海遊公園駐車場」の一画に設けられた1泊2000円の車中泊スペースと、下田温泉の近くにある「RVパーク風来望」が挙げられる。

ベスト車中泊スポットは「道の駅 上天草さんぱーる」

農産物と海産物の直売所が充実

天草と宇土半島を結ぶ「天門橋」の近くにあり、国道266号を挟んだ正面に「天草四郎ミュージアム」が建ち、海側は「宮津海遊公園」と隣接している。

最寄りの温泉は約700mのところにある「スパ・タラソ天草」で、大人500円、10時〜21時30分( 受付最終21時)・第2・4火曜定休。営業時間は変わる可能性あり。

店はファミリーマートまで約300m、「大矢野ショッピングプラザ」まで約500m。

駐車場は施設への導入路を挟んで大型用と普通車用の駐車区画に分かれているので、エンジン音を気にせずに眠れる。

129台を収容できる普通車の駐車場は、ほぼフラットで車中泊に好適だ。24時間トイレにウォシュレットはないが、可燃物のゴミは回収してくれる。

天草は日本のクルマエビ養殖の発祥地といわれており、物産館では自慢のクルマエビの「活け」が買える。またワタリガニや珍しいマテ貝なども品ぞろえしており、開店前から地元の人々が並んで待つほどの人気ぶりだ。

南国情緒に満ちた温泉併設の「道の駅 有明(リップルランド)」

上島の国道324号沿いにある道の駅で、目の前には海水浴場の「四郎ケ浜ビーチ」が広がる。駐車所は3カ所あるが、車中泊には写真の駅舎の前が適している。

「有明温泉さざ波の湯」は、大人500円で営業時間は13時~ 21時(受付最終20時30分)・水曜定休。

個人客が利用できるレストランは物産館のみで、ラストオーダーは16時。店は約7km離れたファミリーマートが最寄りになる。

牛深港のフェリー乗り場に隣接する「道の駅 うしぶか海彩館」

観光案内所や海鮮市場をあわせもった複合施設で、隣接する牛深港から、三和フェリーで鹿児島県の長島町に渡ることができる。

駐車場はフラットで利便性に優れているが、高架に近いため静寂性には欠ける。

最寄りの温泉は約8km離れた「天草市牛深温泉やすらぎの湯」で大人500円、営業は9時~21時・第3火曜定休。

店は大型スーパー「ゆめマート牛深」が約650mのところにある。

車中泊に好適とは思えないのはこの2カ所

「道の駅 天草市イルカセンター」の駐車場は、海に向かう写真の左から右にかけて強い下りの傾斜がある。

まず下島の北端に2019年にオープンした「道の駅 天草市イルカセンター」は、島原半島を結ぶフェリーが発着する「鬼池港」に近い好立地にあるものの、駐車場の傾斜が強くて、車中泊には適していない。

「道の駅 㟢津」は、道路利用者の休憩施設というより、マイカーで世界遺産を訪れる人の受け入れ場所。

また「道の駅 㟢津」は、「㟢津集落ガイダンスセンター」が前身で、2018年に道の駅に登録されている。

見学客の観光駐車場を兼ねているため、車中泊目的での使用には配慮が求められるうえに利便性にも欠けており、ここでわざわざ車中泊をする理由は見当たらない。

※当記事はカーネル 2022 冬号 vol.52の連載「車中泊で旅する/長崎・熊本の世界文化遺産をめぐる旅 西九州縦断」から一部を抜粋したものになります

文・写真:稲垣朝則 
出典:カーネル 2022 冬号 vol.52