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【概要】車中泊で旅する金沢&能登半島一周のポイントなどをクルマ旅専門家が解説。現地の車中泊事情、観光ガイドなど。

出かける前に知っておきたい能登半島クルマ旅の“落とし穴”

ガイド:稲垣朝則
クルマ旅専門家。車中泊雑誌『カーネル』にて車中泊ガイド「車中泊で旅する」「車中泊で攻略する」を連載。日本全国を車中泊でめぐり、情報発信している。
※当記事はカーネルvol.51 連載「車中泊で旅する」からの抜粋になります

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金沢を起点にする能登半島一周は、ざっくり450kmほどの旅路になる。だが、高速道路が整備されていない能登半島の先端部まで行くのは、思っているより骨が折れ、2日や3日では、たぶん駆け足の旅にしかならないだろう。

京都に近い車中泊環境の金沢と、美しい自然だけでなく独自性の高い文化がちりばめられた奥能登を、道の駅頼みのワンパターンな方法で乗り切ろうというのは無理がある。ここでは確かな「旅行力」が必要だ。

能登半島観光のモデルスケジュール | 本気で能登半島を車中泊で一周するなら……

■初日:金沢
■2日目:金沢・千里浜
■3日目:能登金剛・輪島
■4日目:珠洲・七尾・能登島
■5日目:能登島・氷見

……くらいのペース配分になると思う。
つまり最低現地4泊、東京からなら、これに前泊を入れた5泊6日が妥当な日程になるが、このスケジュールを3日ほどでやろうとするから「消化不良」になる。

日数が足りなければ、行き先をカットする発想が必要だ。

車中泊で城下町・金沢を攻略!

ワンデイでも、1泊2日でも、基本は「パーク&ライド」

「日帰り」にしろ「泊まり」にしろ、クルマで金沢を旅する場合、まず問題になるのは「金沢城公園」界隈の駐車場が確保できるかどうかだ。

「金沢城公園」周辺の観光は、そこから徒歩で出かけるのがセオリーになるが、普通車はともかく車高の高いキャンピングカーは、止められる駐車場が限られている。

そこで「金沢城公園」界隈の駐車場事情と、比較的大きな平面駐車場を最初に紹介しよう。ただし週末は激戦になるため、遅くても午前9時には現地に到着できるスケジュールが好ましい。

土日祝日限定だが、大型のキャブコンには「NTTホリデーパーキング」が◎

石引駐車場のすぐ近くにある「NTT西日本出羽町ビル」が、敷地内の空きスペースを土日祝日限定で有料開放している。ゲートがないので高さの心配はなく、奥にはキャブコンが止まっていた。駐車料金は1 回600円と格安だ。

バンコンの代替候補地No.1は、「石引駐車場」

兼六駐車場の前の坂を上った頂上あたりに位置する同じ県営の駐車場で、370台の収容が可能。ゲートには車高2.2mと書かれているが、実際は余裕があるようで、取材時は車高約2.7mのキャンピングカーが止まっていた。

なおマイクロバスや大型のキャンピングカーも。駐車場ゲートの手前に3台分の駐車スペースがあるようなので、利用希望者は電話で予約を。

〈施設情報〉
24時間(年中無休)
普通車・最初1時間まで200円、以降1時間ごと100円
7~10時までに入庫し18時までに出庫した場合最大900円

ミニバンなどの普通車なら「兼六駐車場」が規模も大きく便利

ミニバンや軽のワンボックスカーなどの普通車で旅をする人にイチオシなのは、収容数210台を誇る石川県営の兼六駐車場だ。ただし立体駐車場で2.2mの高さ制限があるため、背の高いキャンピングカーは入庫できない。

「金沢城公園」に近い「兼六下」から「兼六上」までの間には、覚えているだけでも4カ所のコインパーキングがあるが、どこも10台前後しかキャパがなく、休日は朝10時までに埋まってしまうようだ。

〈施設情報〉
普通車(24時間利用可能)
7~22時/最初1時間350円
超過30分ごと150円
22~翌朝8時/1泊1060円

金沢ワンデイ・観光アドバイス

金沢城の特徴は、白漆喰の「海鼠(なまこ)壁」と、屋根に白い「鉛瓦」が葺かれた外観。

行き先を金沢城公園と兼六園に絞る。観光時間の目安は3時間。

できれば最初に「石川県立歴史博物館」を訪ね、それから「石川橋」で通じている「金沢城公園」と「兼六園」をゆっくり回るのがおすすめだ。

それでも3㎞ほどは歩くことになる。仮に9時に到着したとしても、説明を読んだり、途中で休憩をはさめば、おそらく正午まではかかるだろう。

金沢市内1泊2日のベストプラン 兼六園のライトアップが見られる!

初日は「和おんの湯」から徒歩で「JR東金沢駅」に出て、次の「JR金沢駅」まで乗車し、そこから周遊バスの「右回り便」で「兼六園」まで出たら、あとはワンデイと同じコースを回る。

このルートを通ると、本来の金沢城の「大手門」から入城できる。

それからさらに「ひがし茶屋街」まで歩けば、帰りは「和おんの湯」までタクシーで1000円ほど払えば戻ってこれる。

また「兼六園」のライトアップを見る場合は、夕暮れに「兼六園」に着けるよう、「JR金沢駅」から先に「ひがし茶屋街」に出て、「主計町茶屋街」経由で「金沢城公園」の中を通り、石川橋を渡って「兼六園」に行くといい。

長町の「菓ふぇ」でも、箔一の金箔を使ったソフトクリームが食べられる。

2日目は、朝からクルマで「和おんの湯」を出て、「香林坊」か「長町」の駐車場にクルマを止め、前日積み残した「武家屋敷」と「にし茶屋街」を回ると、ひととおり金沢の城下町観光が完結する。