お遍路旅の相棒は、サンバートラックをDIYした軽トラキャンピングカー
連載「軽トラ車中泊でめぐる!四国八十八カ所お遍路ひとり旅」の執筆者・新井芳夫さんの愛車は、2012年式のスバルサンバートラック 4WDを改造した軽トラックのキャンピングカー。
幅が60cmも広がるスライドアウト機構を搭載し、車内は床の間をはじめ、組障子、畳、コタツまで備えた和室空間! 電源装備も充実していて、心強い車中泊旅の相棒だ。
今回は連載の番外編として、車中泊旅の途中で起こった愛車のトラブルについて紹介。
トラブル① 車内の水道が故障! 車内は水浸し
文・写真:新井芳夫
平成28年7月下旬に東北三大祭り「青森のねぷた祭」「秋田の竿燈祭」「仙台の七夕」を見にいったときのことです。
梅雨明けの近い時期に出発して、3日目くらいのこと。青森の道の駅に到着したところで事件は起きました。
車から降りるとなんと、後部のキャンパーシェルの床下から水が滴り落ちているではありませんか! 急いで玄関扉を開けてみると、キッチン付近からゴトゴト音がしている……。車内のキッチンまわりの水をくみ出すビルジポンプが動いているようです。
床下収納を点検してみると、ポンプをつないでいるホースバンドが外れて水が漏れていました。
原因がわかったので応急処置! 降りしきる雨のなか、修理部品を求めて近くのホームセンターへ。ホースバンドを買い、天候回復までそのまま移動を続けました。
翌日、天気が回復。太陽が出た昼下がり、湖畔に向かい床下の濡れたものを全部外に出して、天日干しです。故障個所のホースバンドを交換。1時間ほどかかりましたが、なんとか修理完了しました。
いままでいろいろなトラブルに遭遇しましたが、なんとか回避しています。修理がうまくいかずに応急処置で自宅へ戻ったこともありました。が、これまでは、仲間の手を借りながらも自分たちでほとんどのトラブルを解決。逆に、そういったトラブルの対処も楽しみながら、旅を続けています。
トラブル② リチウムバッテリーが放電! 電気が使えない!
以前に青森の「ねぶた祭り」に訪れたときのこと。当時は梅雨明け前で、くもりと雨の連続。愛車のソーラーパネルはあまり発電ができない状態が続いていました。
リチウムバッテリーの性能を過大評価していた私は、買ったばかりのEngelの冷蔵庫を冷凍状態で使用。さらに、車載冷蔵庫を2台同時に使っていました。
日中の移動時は、走行充電でバッテリーを充電。なので、特にバッテリーが少なくなっているとも思わず、青森市内まで移動し、車を駐車場へ止め、冷凍庫と冷蔵庫を使用したまま祭りへ。
その後、2時間ほどで車に戻ると……愛車の電気がすべてつきません!
リチウムバッテリーの過放電防止の回路が働き、すべての電気出力がストップ状態に。冷蔵庫も室内灯もダメで、真っ暗の状態で翌朝まで待つことになってしまいました……。
過放電防止の回路については、説明書を読んでいましたが、このときはパニック状態! まさかこんなことになるとは思ってもいませんでした。
(※リチウムバッテリーは、出力オーバーがあると保護回路が働き、バッテリーの出力を遮断する出力保護のIC回路を内蔵。バッテリーを2個以上つなぐ際のバランス回路でもある)。
夜が明けてすぐに車を移動して、100V外部充電器を3時間ほど回して充電し、なんとかバッテリーの復帰に成功。日中には太陽も出て晴天となり、ソーラーパネルの発電で夕方までにはバッテリーは回復しました。
夏は車のエアコンを使用するので、走行充電ではリチウムバッテリーを充電することはできず。ソーラーパネルの発電も、曇り空ではバッテリーを満タンにすることはできません。電気は、細かくチェックしながら冷蔵庫を使わないと、トラブルにつながるという痛い教訓でした。
トラブル③ 発電機の修理でキャブレターの細かい部品が散乱!
トラブル②からの続き。ねぶた祭りも終わり、フェリーターミナルでのリチウムバッテ
リーの充電に成功。しかし、今後のことを考えて、不調だった発電機の分解・整備をする
ことにしました。
龍飛岬を一周し、その2日後に開催される五所川原の「立佞武多(たちねぷた)」を見にいく途中、日陰のあるキャンプ場にて作業を行うことに。
どうも発電機のアイドリングが不調で、高出力時でも回転が安定しないのです。ボディをふたつに分解し、キャブレターも分解。細かいニードルを外して燃料の通路を掃除しました。
分解した部品をウェスの上に並べ、燃料ホースを外そうとしたところ、ウェスの上に並べていた部品に誤って体が当たってしまい、アっと叫んだ時には部品は散乱……。
目を皿のようにして、30分も掛けて探すことになってしまいました。その後、発電機はなんとか元の状態に組みつけることができ、エンジンが無事に回った時はひと安心。あ~よかった! と胸をなでおろしました。
写真・文/新井芳夫、カーネル編集部
構成/野里卓也
出典/カーネル