軽トラキャンピングカーで「四国八十八カ所のお遍路」の巡礼地を車中泊でめぐった旅の記録。四国に点在する八十八カ所の霊場巡拝のほか、道の駅スタンプラリー制覇も目指して挑戦。彼の地を車中泊でめぐろうと思っている人へ、少しでも参考になれば幸いだ。旅人/新井芳夫

第2回 スタンプ集めに大忙し! 愛知~三重~奈良~和歌山編

2017年3月20日から5月8日までの50日間、全行程6817㎞。四国八十八カ所お遍路ひとり車中泊旅! 連載2回目は、四国へ向かった3~9日目までのルートをたどる。愛知から三重、そして奈良から和歌山へ!

連載第1回はこちら ↓

【3日目】車中泊旅中は小さいゴミ出しに徹底

今日は天気が回復し、朝から快晴に恵まれそうだ。8時30分過ぎに道の駅宮嶋をたち、151号を南下、県道9号で道の駅くんま水車の里を目指す。山道なので安全運転で移動。
 
道の駅の施設は開店が9時なので、まだ利用客もまばら。スタンプだけ押して先へ移動します。私の旅のスタイルは朝、夕の食事は自炊をしながら移動するため、朝は5時に起きて、30〜40分ほど散歩をして、朝食を車内でとります。

食材は定期的にルート上にあるイオンなどのスーパーで買い、車内の冷蔵庫にストックをしながら旅を続けています。
 
食事で出るゴミは、小さくハサミで切って、小さいサイズのレジ袋にまとめ、コンビニで買い物のときに「ゴミいいですか?」と、必ずひと声かけてゴミ箱に入れさせてもらいます。大きなゴミ袋だと拒否されやすいので、できるだけ小さくして、お店に迷惑をかけないように注意しています。
 
また、食材の購入時からゴミを生み出さないように、食品包装されているトレイは、すべてスーパーのゴミ箱に捨てます。毎日のことですので、小さいゴミ出しに徹します。

今日は浜名湖の周りを一周してから伊良湖岬の先端、道の駅伊良湖クリスタルポルトへ。16時30分、伊良湖岬の道の駅が併設されている、フェリーターミナルに到着。

しかし、すでにフェリーは出港してしまい、次の17時40分が最終便。それだと対岸の鳥羽港に着いても暗くなってしまうため、明日のフェリーに乗ることに決定。しかし、夜から雨、風がさらに強くなる悪天候に。フェリーターミナルの建物を風よけにしつつ、愛車を就寝モードにセットして、嵐のなか、眠りにつきました。

3日目(3/22)
走行距離 207km
道の駅スタンプ 6駅
仮眠場所:道の駅伊良湖クリスタルポルト(愛知④)
・施設は古く、トイレも改装中で利用できず。
・仮設トイレが施設外にあるだけ。水の補給も不可。
・元々はフェリーターミナルの施設のため、道の駅としての施設が少ない。
・評価 ×
※文中の丸囲みの数字はスタンプラリーの番号です。

【4日目】伊勢神宮で参拝

伊勢は外国人も含め、大勢の観光客で賑わっていた。

翌日は、9時30分発の伊勢湾フェリーで対岸の鳥羽港へ。薄曇りで陽が少し射し込む空模様。

鳥羽市に着いたので、伊勢神宮に参拝して、四国お遍路旅の安全をお願いする。伊勢神宮へは30㎞くらいの距離なので、わりと近いのです。神宮の森が見えてくると坂道の連続。旅をしていると、日本は平らな所がないのかと思うほど、坂道、山道が続きます……。
 
伊勢神宮へ近づくと、平日にもかかわらず道路は渋滞。目当ての神宮の鳥居近くの駐車場には入れず、おかげ横丁近くの駐車場に止めました。そこから土産物屋が建ち並ぶ石畳の道を伊勢神宮まで進み、観光気分を味わいながら参拝。

伊勢神宮では、見たことのあるハイエースが……。近づいて見ると、なんとキャンピングカー仲間! これも神のお導きか!?  これからの長い旅路でよいことが期待できそうだ。

 
ところで、この日はビックリする出来事がありました。帰り道、駐車場の車列に見覚えのあるクルマが一台止まっているのです! 日頃キャンピングカーづくりを楽しんでいる仲間のクルマで、近づくと夫婦で神宮参拝に向かうところとのこと。旅先での偶然の再会に驚きつつ、お互いの旅の情報を交換し、旅の安全を声掛けしました。

おかげ横丁では托鉢(たくはつ)僧侶の姿も。

それから伊勢神宮をあとにし、今日の目的地である、道の駅伊勢志摩へ。今日はまだ仮眠の準備をするには早い時間なので、志摩市内のスーパーで買い物して、道中のホテルプロヴァンスの温泉に入浴。小さなホテルですが、静かでのんびり温泉につかり、旅の疲れを癒すには最高でした。
 
明日からは本格的に道の駅スタンプラリーの始まりなので、車内でルート作戦を練ることにします。

3/23(4日目)
走行距離 50km 
道の駅スタンプ 1駅
仮眠場所:道の駅伊勢志摩(三重⑫)
・施設はあまりきれいではない。駐車場にはゴミが散乱し、周囲には雑草も生い茂り残念。
・道路から高い位置にある施設のため夜は静か。
・観光地の地域なので大型連休時は夜間でも混雑すると思われる。
・評価 △
※文中の丸囲みの数字はスタンプラリーの番号です。

【5日目】約170㎞も移動した日

5日目は道の駅伊勢志摩から出発!

今日からは紀伊半島を海岸線に沿って一周する行程で、道の駅スタンプラリーを進めます。ひと筆書きで多くのスタンプを集めたいので、相当な距離の移動になりそう。
 
紀伊長島を目指し、海岸線を走行。海が見えるとまた山の峠道になり、のんびり走ることはできず、約70㎞、2時間ほどかかり、道の駅紀伊長島へ着きました。

道の駅紀伊長島マンボウは、マンボウの串焼きを名物にしている。

先へ進むと42号で山道ルートになったので、そこで30分ほど休憩。そして国道166号から368号へ。三重県から奈良県に入り、今日の目的地である、道の駅伊勢本街道御杖に到着。道の駅の施設は閉店の準備に入っていて、急いで今晩の食材の買い出しをします。

私が仮眠をとるときの場所選びは、植え込みのある場所で、なおかつ左側に駐車スペースがないコーナーを選びます。そこへバックで駐車をして、後部の入り口階段をセットし、荷室左側をスライドアウトします。

このときクルマの左側に駐車スペースがある位置だと、隣の車両との間隔が狭くなるので、コーナーである駐車位置が必要なのです。※もちろん、ちゃんと枠内ですよ!
 
そしてトイレにできるだけ近い位置がベストです。それから車内の電子レンジでごはんを温めたりするため、できるだけ明るい時間に夕食をつくります。

【6日目】道中で危うい目に……!

この日は、奈良県の山道を一日中移動して、道の駅スタンプを6駅分ゲットする予定でした。自宅を出て6日目、連日の山岳走行で疲れも少し。でも四国まではあと半分くらいかなと、思いながらクルマを走らせました。

道の駅伊勢本街道御杖を出てから峠道を160㎞、トータルで4時間ほどかけて、スタンプを押していきます。

実はこのルートでは林道に迷い込み、ナビも途絶え、クルマをバックすることもできず、細い山道を迷いながら進むという事態に陥りました……。

おっかなびっくりで、それでもクルマを走らせていると、急に視界が開け対向車が! 杉木立の中に人家が見える道に出て、目印の吉野温泉金峯山寺まで、ようやくたどり着いて、ひと安心。

ここでクルマが故障したり、杉林の谷側に落ちたら……。携帯もつながらず、遭難するところでした。軽トラキャンパーでのひとり旅。十分注意が必要!と反省の一日でした。

6日目の記録>
走行距離 159km
道の駅スタンプ 6駅
仮眠場所:道の駅吉野路上北山(奈良②)
・国道169号沿いの道の駅で交通量が多く、あまり仮眠には適さない。
・施設も古くトイレも汚れている。
・第二駐車場が施設の反対側の高台にあるが、20台くらいのスペースで、下の道の駅から見えず、夜は静かでよい。
・評価 △

【7日目】毎日山道ルートばかり

この日は、途中から雨が降りだすあいにくな天気。上北山から川沿いの山道は、登り、下りの連続。池原ダム湖畔を下り、169号から309号へ進路を変え、県境を越えて三重県に入ります。このルートは、交通量は少ないが、毎日山道は疲れます……。

熊野大泊ICから海山ICまでは熊野尾鷲道路という、将来高速道路になる自動車専用道で、現在は無料区間です。3時間ほどかけて、道の駅海山に到着。レストランで地魚丼と伊勢エビの味噌汁がついた、海鮮料理の昼食を堪能しました。ここ2日間ほど山中を走っていたので、海辺の食事に大満足です。

そこから移動し、道中の尾鷲市内のイオンで食材の買い出し。熊野尾鷲道路で、今日のラリーの予定である4カ所のスタンプを集めました。

15時30分には、その日の目的地である和歌山県の道の駅なちに到着。16時から車内でBSテレビを楽しみ、ビールを片手にご機嫌です。

施設内の「丹敷の湯」温泉にも入りましたが、窓から海が眺められ、夕闇が迫る旅情に一日の疲れが癒されました。

<7日目の記録>
走行距離 140km
道の駅スタンプ 5駅
仮眠場所:道の駅なち(和歌山⑫)   
・小さな道の駅だが仮眠にはとてもよい。
・トイレがもう少しきれいに掃除されているとグッド!
・海辺の道の駅施設なので、磯の香りが心地いい。
・評価 〇
※文中の丸囲みの数字はスタンプラリーの番号です。

【8日目】絶景とグルメの欲張りコース

8日目に立ち寄った道の駅くしもと橋杭岩。マグマが作ったという不思議な岩石群が施設近くにあり、その絶景には驚かされる。

紀伊半島の南端を、那智勝浦から白浜町まで、海岸線に沿って走るので、美しい自然の景観が楽しめる一日になるはず。

ルートは、国道42号から串本町で県道38、48号に。国道371号付近で立ち寄る道の駅2カ所以外は、ずっと海岸線に沿って移動できるので、海のおいしいグルメも楽しみ。

ちなみにこのコースは、本州最南端の串本町から、クジラの町・太地町を経て、マグロの町・那智勝浦へと続く、絶景とグルメを楽しむ欲張りコースなのです。

道の駅志原海岸でスタンプを押したあと、近くにあるリヴァージュ・スパひきがわに入浴予定でしたが、予定変更。18時過ぎに道の駅椿はなの湯に到着。

海鮮料理の豊富な地域のため、ネット検索で見つけたグルメスポット・とれとれ亭に向かいました。好きな魚の刺し身を選び、ご飯と味噌汁付きで大満足。ひとり旅の飽きない楽しみです。

<8日目の記録>
走行距離 135km 
道の駅スタンプ 6駅
仮眠場所:道の駅椿はなの湯(和歌山㉑)   
・車中泊に最適トイレがきれいに掃除されている。
・夜の交通量は少なく静かで、温泉施設を利用できるほか、足湯もある。
・評価 〇
※文中の丸囲みの数字はスタンプラリーの番号です。

【9日目】熊野古道を横目に、今回の旅で一番の山道を走る……

9日目のルートは、今回の旅で一番の山道。まるで山岳ラリーのようなコースとなってしまいました……。

というのも、道の駅でスタンプを押すために、各地を再度訪問するか熟考。和歌山県の海岸線ルートのほうが再訪問の機会が多いはず!と結論づけて、五條新宮道路という山道ルートを走ることに。

しかし、後日地図を見直すと、ルート選定が間違いのような気もしましたが……。それでも、当時はそれで走ろうと決めたので、間違いではなかったと思います(というか、思いたいです)。

道の駅熊野古道中辺路は、道路の反対側に熊野古道があり、世界遺産の散策路が整備されています。私が立ち寄ったときも、駐車場のクルマから大きなリュックを背負った外国人のグループが、熊野古道散策に出かけるようでした。

今回の旅は、熊野古道散策を計画していないので、スタンプを押すだけで先に進みます。日本一大きな村として知られる、道の駅十津川郷にも立ち寄り、運転で疲れた足に心地よい足湯でひと休み。食事処でそばを食べ、山郷でのご馳走に舌鼓をうちました。この日は大分遅くなり、18時過ぎにやっと、道の駅吉野路大塔にたどり着きました。

<9日目の記録>
走行距離 173km
道の駅スタンプ 5駅
仮眠場所:道の駅吉野路大塔(奈良①)   
・トイレは清掃されているが、施設が古く、一部破損個所あり。
・駐車場は傾斜があり仮眠もしづらい。
・峠道のような道路沿いの施設で少し寂しい感じ。
・評価 ×
※文中の丸囲みの数字はスタンプラリーの番号です。

※記載されている情報は2017年3月20日から5月8日までのものになります

写真・文/新井芳夫
構成/野里卓也
出典/カーネルvol.40

旅人プロフィール 新井芳夫

●埼玉県在住
●車中泊歴40年以上
●主な車中泊スポット:全国各地(道の駅が中心)

愛車のスバル・サンバートラックに乗ってひとり旅を楽しんでいる新井さん。車中泊歴も長く、40年以上も前から国産ワンボックスカーにDIYを施して、全国を旅してきたベテランでもある。

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