暑さ対策に効果的な車中泊グッズ
シェードやカーテン
車中泊時の暑さ対策は夜だけでなく、日中からも心がけておくといい。某機関の調査によると、炎天下時、車内の平均温度は50℃近くまで上昇。とくに、直射日光が照りつけるダッシュボードは、70℃以上になるという。
車の窓ガラスは車内温度上昇に大きく関わっているので、日中に長時間駐車する際は、カーテンやシェードで照りつける日差しを遮断しよう。
窓ガラスに装着するタイプを選ぶ際は、ペラペラでもないよりマシだが、ぴったりすき間なく覆う遮熱性の高いものをセレクトすると満足度が高い。
特に車中泊向けに作られた「シェード」は断熱性の高いものが多く、車内の温度上昇を抑えてくれる。
写真はアイズの「マルチシェード」で車種専用設計のシェード。夏の車内温度を最大10℃抑えられる。冬には車外からの冷気を遮断し、結露を抑える効果も。
ルーフを覆う車用の日傘で、車内の温度上昇を大幅に低減してくれるアイテムも。こちらはコイズミの「パラクール」。カバーは一部外せるので、ルーフに載せたソーラーパーネルへの影響もない。
換気ファンや扇風機
標高の高いところに行ったとしても、寝苦しい夜もある。その解消法のひとつが、車内に風を取り込むこと。
窓は2カ所以上を開け、外気を取り込む側の窓を小さめ、排気側を大きめに開けると、風が通り通りやすいといわれている。
さらに扇風機などを併用して車内に風の流れをつくり、車内の熱気を外に出すようにしよう。車中泊好きのなかには、窓にはめ込んで使う換気ファンを自作している人も多い。
ハスラーのオーナーは、換気ファンのほかプラダンで外枠とカバーも製作。PC用ファンを2個装着してUSBモバイルバッテリーで回し、網戸と併用して空気の流れを作っている。
こちらのオーナーは、PC用12Vのファンとポータブル電源で換気。外側にはウェザーカバーも。すべて取り外し可能で、べニア板の上部にある金具をスライドさせて固定する。
防虫ネットや網戸
上でも紹介したとおり、車内に風を取り入れるためには窓を開ける必要がある。しかし、夏の夜に窓を開けたままにしておくと、蚊などの虫が車内に侵入してしまう……。そうならないために、網戸やメッシュ製のカーテンなどを用意しておきたい。
約170車種に対応するアイズのウインドーバグネット。車種別設計の網戸で、愛車の窓に工具不要でぴったり。装着したまま窓の開閉ができるので、停車中はもちろん、風を感じつつドライブもできる。
ポータブルエアコン・クーラー
ポータブル電源やキャンプ場のAC電源サイトを利用すれば、車内で電化製品を使うことができる。ポータブルタイプのエアコン・クーラーを持ち込んで、夏の夜の暑さ対策をするのも手だ。
ただし、一般的なクーラーのようにキンキンに冷えるわけではないので、過度な期待は禁物。あくまで寝苦しい夜の快眠補助的存在と考えておこう。
「車中泊の達人」ともなれば、なんと自作クーラーをDIYする人も少なくない。もちろん効果は様々だが、この夏、一度製作して試すのも楽しいかも。
<左>
セレナのオーナー自作の「氷クーラー」。発泡クーラーボックスのフタにファンを設置。USBモバイルバッテリーで稼働させる。中にはブロックアイスが1個。市販の簡易クーラーも使用しつつダブルで涼を得ている。
<右>
NV350キャラバンのオーナーが使用している自作「氷風機」。宅配用の発泡スチロールを使用。PC用ファンと住宅用のフード付き換気口をフタに装着。ブロックアイスを中に入れてモバイルバッテリーでファンを稼働すると、2~3時間は涼しいそうだ。
化学の力で快眠をサポートするアイテム
接触冷感タイプの敷パッド
冷感敷きパッドなど化学の力で快眠サポートしてくれるアイテムも、車中泊に積極的に取り入れたい。接触冷感素材の敷きパッドは、肌が触れると素材側に熱が移動し、ひんやり冷たく感じる機能を搭載。
また、この手のパッドには、吸湿速乾機能が備わっているものもあり、さらりとした肌触りが熟睡に貢献する。
アウトドメーカーの吸湿速乾性機能ウェア
暑い夏の日の服装は、アウトドアメーカーのものが快適だ。たとえば、Tシャツ1枚にしても、見た目は変わらないかもしれないが、アウトドアメーカーのものは、吸湿速乾機能や防臭機能などが備わっていたりする。
体から出た汗を素早く吸い取って放出するので、さらりとした着心地が持続。また、効果は短時間だが、服の上から使える冷却スプレーも、ひんやりと気持ちがいい。
就寝前に車内を急速冷房!?
寝る前に車を走らせ、エアコンの力で車内を冷え冷えにしておくのも手。風量はMAX、設定温度も最低にしておいて、寒気を感じるくらいに急速冷房してしまいましょう。ただし、時間帯や環境など、周囲への影響も考えて行うこと! ちょっと掟破りだが、方法のひとつとして覚えておこう。
イラスト/田中 斉
文/大森弘惠、カーネル編集部
出典/カーネルvol.41秋号ほか