夏の車中泊装備に100均グッズをプラスして、冬車中泊の寒さ対策ができるのか実験! 車中泊専門誌『カーネル』編集部のスタッフが、外気温−0.2℃の福島県檜原湖で車中泊。本当に100均グッズで防寒できるのか、体を張って検証します!

100均グッズで、車中泊の冬装備を作ってみよう!

これからの季節、外気温が氷点下まで下がるのは当たり前。場所によっては雪が降り積もる場所もある。そんななかで車中泊をするには、防寒・暖房に長けたグッズをそろえるのが一番!なのだけれど……。もっと手軽に気軽に、冬車中泊の防寒対策ができないものか。お金はあまり使いたくないし……。

そこで、自分の持っている夏車中泊グッズを生かしつつ、100均グッズで冬装備が作れないかと考えた!
冬車中泊の寒さ対策で重要なポイントは2点。窓を伝って侵入する車外からの冷気を遮断すること。そして体が発する熱を逃さないこと。それを補うために、100円ショップで購入したグッズがこちら。

シェードはDIY。ほかのグッズは工夫して使う

今回、購入したグッズのなかで、唯一にして大物のDIYがシェード。編集部のデリカD:5の窓ガラスすべてを塞ぐため、スタッフふたりで奮闘!

まずは新聞紙で型紙を作成。フロントウインドウは面積が大きいため、新聞紙をつなげながらマジックでマーキングしていく。

新聞紙で作った型紙は、100均のアルミシートにあててマーキング。それに沿ってハサミでカット。

100均のアルミシートは「コシ」がないため、それを補強するため段ボールに張り付けてからカットした。密着性を上げる効果も狙う。

完成したフロントウインドウ用シェード。だが、左右の高さがあきらかに違う……。けれど「まあ、なんとかなるだろう」とそのまま放置。

ウォータージャグは温水ヒーターに!

水を入れる蛇口付きのウォータージャグは、お湯を入れて温水ヒーターとして利用。説明書では70℃まで大丈夫と記載されていた。

ロールタイプの保温シートは、体巻きつけ作戦!

ロールタイプのアルミシートは、体に巻き付けて使用。そのまま寝袋へ入るのだ。 果たしてその効果は? 今企画で最も期待度が大きいアイテムだ!

使い捨てカイロは、貼るだけ……⁉️

みなさんおなじみの使い捨てカイロは、貼るタイプのモノを用意。衣服の上から貼るだけなのだが、低温やけどには注意したい。

氷点下の福島県で、さっそく実験開始!

いよいよ車中泊に挑戦! 取材時は11月だったが、冬の車中泊を想定し、東京から福島県の檜原西湖畔オートキャンプ場まで移動した。標高が840mあり、11月下旬でも氷点下になる場所だ。

DIYのシェードを窓に設置。ところが、フロントウインドウはご覧のとおりの雑な出来栄え......。やはりちゃんとガラスの大きさに合わせて、さらに作りこんでいく必要があった。っていうか、作りこむ以前の問題。ほか、リアウインドウは少し窮屈だが、ピッタリと収まっており、ほかの窓も予想以上に出来はよかった。

現地にて、ボイラーで沸かしたお湯を調達。お湯を入れたウォータージャグは真ん中に6個を配置。余ったモノは頭上まわりや腰まわりにも置いた。ちなみに寝袋は、愛用している3シーズン用と夏用を使用。衣類は秋冬用を着用。

なお、このウォータージャグは蛇口が前面にあるので、あえて逆に取り付けて、蛇口を中に収めてすっきりとさせた。

ホッカイロを肩と腰に貼り付け、アルミシートを巻き、寝袋にイン! 100均グッズの冬車中泊仕様、果たして結果は……?

100均グッズで冬車中泊は可能だったのか!? 検証結果発表!

車中泊したキャンプ場は檜原湖が眼前にあり、夜明け前になると、この日の最低気温は−0.2°Cを記録。車外に出ると、凍えそうなくらいの寒さだった。

カタチがいびつだったシェードを装着した窓は、結露が盛大に発生していた。ほかのシェードは窓ガラスにピッタリとフィットしていたおかげで結露はなく、カタチにはこだわるべきだったと反省。けれど、冷気遮断効果はかなり高かったように思う。

保温シートを体に巻き付ける作戦はというと......これも効果ありで、汗かきさんにはツライくらい! 3シーズン用寝袋で寝たスタッフは、汗でびっしょりだった。ただ、体が滑ってしまうので、落ち着かないというのも難点。
使い捨てカイロは、効果はあるようなないような? ないよりマシかも。

そして、温水ヒーターだが、これは予想以上の効果を確認。じんわりと体のまわりでお湯の熱を感じ、ポカポカとした温かさを体感。お湯の力は偉大だった。水漏れがしやすいという問題はあるが、それは入れ物を替えるだけで解決するだろう。冬の車中泊にはぜひ、おすすめしたい。

結果、外気温−0.2℃に対し、朝方の車内の温度は8.5℃、湿度は74%。寒くて眠れないという状況は皆無だった。大人ふたりで就寝したのと、各アイテムの効果が高かったおかげでこの湿度になってしまった模様。けれど車内が思いのほか快適だったのは、湿度が高かったせいもあると思う。

写真/森 浩輔、本誌編集部 文/野里卓也

※この記事は、『カーネル』2018年早春号 Vol.42を再編集したものです。