車中泊を快適にするということは、クルマの中で快適に寝られるかどうか、ということ。車内で寝泊まりするために仕上げられたキャンピングカーならいざ知らず、一般車での車中泊を快適にするには、様々なコツが必要なのです。こちらの記事ではクルマで安眠するための基本的なコツを伝授します!
安眠のための基本テクを紹介します!
車中泊で安眠するために考えたいことは、大きく分けると「車内の就寝場所」「駐車位置」「日差し&視線」の3点。メリットやデメリット、対策など、ぜひ参考に!
1)シートに寝るか、荷室に寝るかを考えよう
車内の限られた空間の中では、就寝場所もおのずと決まってきます。大きく分けて「シート上」と「荷室(ラゲッジルーム)」のふたつになりますが、どちらで寝るかは悩みどころ。
心地よく熟睡するために必要な2大要素は、寝床のクッション性(柔らかさ)とフラット性(平坦さ)。クッション性はシート、フラット性は荷室がそれぞれ得意とする要素ですが、フラット性に関してはクルマのシート形状によって大きく異なるので要注意。まずはそれぞれのメリット、デメリットを把握しておきましょう。
シート就寝の場合
走行性を重視したスポーティな車種は、シートをフラットにしようとしても、大きな段差やうねりが生じてしまいます。反対に、1.5ボックスなどの“レジャーの道具”として位置づけられたクルマは、比較的フラットなシートであることが多くなっています。
シート就寝の場合は、この段差やうねり解消が安眠の第一歩。各所にタオル類を重ねて段差を解消し、仕上げにマットを使えば、ある程度は解消できます。そもそもクッション性は高いので、工夫次第で快適に眠れます。
荷室(ラゲッジルーム)就寝の場合
どのクルマも比較的、平坦で寝やすい、荷室(ラゲッジルーム)就寝。ですが、クッション性は極めて低く、腰痛などの持病がある人には向かないかもしれません。さらにシートより低い寝床は地面に近いので冬場は寒しく、また荷室に積んでいた荷物を移動させる必要があるのも気になる点。
荷室就寝する場合は、ウォークスルーやシート下など、荷物を適材適所に収納し、できるだけマットやエアベッドなどクッション性を高めるアイテムを使いましょう。防寒性をアップするためには厳冬期用シュラフがおすすめ。
2)駐車位置にも細心の注意を
車中泊のベテランは駐車位置にも気を配っています。車中泊可能な敷地内に止めることはもちろんですが、そのなかでもどこにどう駐車するかで、快適度は大きく変わってきます。
地面の状態をチェック!
まず最初にチェックしたいのが、地面の傾斜。フラットな寝床を作るのに向きませんし、荷物が荷崩れする危険性も高くなります。平地を選んで駐車しましょう。
ぬかるみや水びたしの場所、切り株などの障害物が多い場所も、夜に出歩いた時に転んでケガをする可能性が高く、避けるのが無難です。
人の往来が激しい場所は避けるべし
人の往来が激しいトイレや施設の出入り口なども、できれば避けておくのがベター。人の話し声や視線は安眠の敵。トイレが近いのは便利ですが、近すぎるとにおいがキツイ場合もあるので要注意。
樹木の下も要注意
大きめの樹木の側は雨風を防いでくれたり、夏場は涼しそうに見えますが、落ち葉や樹液などでクルマが汚れたり、虫も集まりやすいポイント。上に鳥の巣などがあれば、フンまみれになることも! 駐車位置を決める前に地面の状態をしっかりチェックしておきましょう。
3)日差し&視線対策も万全に
駐車位置を決め、ベッドメイキングも終わったら、最後の重要項目「日差し&視線対策」を。外からの視線に関しては、のぞかれたって気にしない人もいるかもしれませんが、日差し(特に夏場)はけっこう気になるもの。また、場所によっては常夜灯が煌々と灯っている場合もあり、神経質な人はそれだけで安眠から遠ざかってしまいます。
日差し&視線対策の基本は、窓を塞ぐこと。スタンダードな方法としては、フロントウインドウにはサンシェードの利用がおすすめ。サイド部分を簡易的に塞ぐには、ウインドウにバスタオルをかませてみたり、ドアに両面テープで布を貼ってみたり、手軽で効果的な方法は様々あります。
すべての窓を塞いでしまうと、外の様子がまったくわからなくなって、かえって危険なこともあるので、気になる部分だけ塞ぎ、最低限、外の様子がわかる余地は残しておきましょう。
状況に合わせてアレンジを!
今回紹介したテクニックは、あくまで車中泊で安眠するための基本のキ。これらをベースに、季節や場所、人数など、状況に合わせて自分たちでアレンジすることが大切。アイデア次第で、車中泊はいくらでもグレードアップすること間違いなしですよ!
※当記事は『CarNeru(カーネル)特選! 安全・快適 車中泊マニュアル』の内容を流用、再編集したものです。